NEC(矢野薫社長)とシンガポールにある同社の東南アジア地域統括会社NEC Asia Pte. Ltd.(NECアジア)は2月22日、総務省が実施する「国際情報通信ハブ形成のための高度ICT共同実験」の一環として、世界初となるマルチベンダー間における無線IP電話の内線通話の実証実験を2月25日より日本とシンガポール間で実施すると発表した。
同実験は、無線IP電話の国際間ローミングを行うために必要となる位置情報を、異なるベンダーの企業向けSIPサーバー間で管理する技術を確立し、無線IP電話の国際ローミングサービスの実証を行うもの。
まず、企業向けSIPサーバー間における無線IP電話のローミング接続の実験を行い、無線IP電話の位置情報を沖電気工業製SIPサーバー「IP CONVERGENCE Server SS9100」とNEC製SIPサーバー「UNIVERGE SV7000」間で管理する技術を確立する。また、無線IP電話としてFOMA/無線LANデュアル端末「N902iL」を活用し、「IP CONVERGENCE Server SS9100」の設置された大手町ラボから「UNIVERGE SV7000」の設置されたNECアジアに移動した場合でも、シームレスに電話サービスを利用できることを確認する。
さらに、海外通信事業者のSIPサーバーと企業向けSIPサーバーの連携の実験を試み、シンガポールテレコムのSIPサーバーとNEC製SIPサーバー「UNIVERGESV7000」間の相互接続性を検証し、将来的に高度な電話サービスの利用を可能とするための基本機能を確かめる。これらの実験を通して、例えば日本からシンガポールへ出張する場合、自社内で使用していた無線IP電話を出張先で使用できることを実証する。
NEC では、本実証実験の結果を受け、無線IP電話の位置情報をSIPサーバー間で管理する技術を「UNIVERGE SV7000」など自社製品に適用するとともに、無線IP電話のローミングサービスを用いたソリューションを国内外に提供する。また、無線IP電話のローミングサービスの仕様および実験結果をTTC(情報通信技術委員会)に提案する予定。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス