同僚の能力を認め、それに対して敬意を払うようにすべきである。自身の素晴らしさを喧伝することほどプロフェッショナルらしくない利己的な行為はないだろう。
謙虚な心を持ち、他者への称賛を惜しまないようにしてこそプロフェッショナルである。
筆者がHughes Aircraft Companyに入社した際には、筆者の他にもう1人、同様のスキルを持った人物も入社した。その時、社内の誰もが、われわれのうちの1人がそのうちに辞めることになるだろうと考えていた。われわれ2人を競わせようという会社の意図が見え見えだったのだ。ここでこんな話を持ち出したのは要するに、筆者は同僚、つまりライバルと知識を共有すれば自分が不利になるという考え方に馴染みがないわけではないと言いたいためだ。
「自分にしかない知識」があることに安心感を抱くのはたやすいことだ。あなたが情報を溜め込むタイプの人間であり、これまでに溜め込んだ情報のおかげで現在の地位が保証されていると考えているのであれば、考え直したほうがよいだろう。現実は厳しく、替わりがきかない人間などいないのである。
情報は限られた資源などではない。逆の考えを持ってしまっている人もいるが、智恵や経験の真髄を他者に分け与えても、あなたの知力の泉が枯れることはないのである。知識のことを、情報の川ではなく、事実の大海と考えるようにすべきだろう。自らの知識を共有しても、ライバルに先んじることは可能である--毎日新たな知識を学び続けるようにすればよいのだ。
同僚に手を差し伸べることで尊敬されてこそプロフェッショナルである。
筆者は常々、手を貸してくれた人には何らかの方法で感謝の意を表すようにしていた。そして、期待以上の手助けをしてくれた人には、コカ・コーラを買って渡すことにしていたのだった--これは、広告業界とMean Joe Greene氏のマーケティング力の証とも言える。
Hughes Aircraft Companyに勤務していた筆者の人事ファイルの中身で、最も価値があるものを挙げるとすれば、現場の社員から筆者のマネージャーに渡された2枚の伝達メモになるだろう。これらのメモには、筆者のおかげで仕事の効率を向上させることができたという感謝の言葉が記されていたのだ。
筆者は何て愚かだったのだろう--後悔先に立たずである。コカ・コーラなど買っている場合ではなかった。感謝の意を社内文書に書き記し、彼らのマネージャーに渡すべきだったのだ。
感謝の意を、相手に最も恩恵をもたらす有意義なかたちで表してこそプロフェッショナルである。
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