UPDATE ベルリン発--ソニーは現地時間9月1日、「Music Unlimited」という新サービスを発表した。同社のさまざまなエレクトロニクス製品がストリーミング音楽のオンラインライブラリになるというものだ。
ベルリンで開かれた記者向けイベントで、ソニー・ヨーロッパ社長の西田不二夫氏は同サービスについて「クラウドベースのデジタル音楽ストリーミングサービスであり、音楽ファンは、手持ちのデバイスと同期される、保存された膨大な数の曲にアクセス可能になる」と語った。サービスは「2010年末までに稼働する予定」という。
Music Unlimitedはソニーの「Qriocity」というサービス内の、ビデオオンデマンドサービス(こちらは既に提供開始されている)に組み込まれる。これにより同サービスのキャッチコピーは「あなたをフォローする音楽。大ヒット映画を直ちに」(Music that follows you. Instant blockbuster movies)という二段構えになった。
ソニーはMusic Unlimitedをベルリンで開催されているエレクトロニクスショー「IFA2010」で発表した。しかしこの発表のタイミングは、ソニーの野望の実現の難しさを端的に示している。というのも、同じ日にAppleが、圧倒的なシェアを誇り、音楽市場におけるソニーの野望を長年阻んできた「iPod」と「iTunes」の製品ラインを一新させたのだ。また、ソニーの試みは今回が初めてではない。長年にわたる努力のあげく、ソニーはオンライン音楽ストア「Connect」を閉鎖している。
しかし今回のMusic Unlimitedは、ConnectともAppleのアプローチとも大きく異なる。iPodとiTunesでは、音楽をオンラインで購入するかCDからコピーするかして、iPodや「iPhone」や「iPad」、そして「iTunes」のライブラリに保存する。もちろんビデオも扱える。
AppleはLaLaを買収したものの、同社のアプローチはこれまでのところデバイスを中心とするもので、しかもこのやり方で成功を収めてきた。これまでに約120億曲の音楽、約4億5000万エピソードのテレビ番組、約1億本の映画、約3500万冊の書籍がiTunes経由でダウンロードされたと、Appleは米国時間9月1日に述べている。
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