これに対しソニーのQriocityの各サービスでは、音楽と動画はクラウド上に保存される。これはAppleのアプローチとは大きく異なるモデルだ。
このモデルでは音楽がネットワークを介して、ソニーのテレビ、Blu-rayプレーヤー、ゲーム機の「PlayStation 3」(PS3)、「Windows」搭載コンピュータなど、さまざまなデバイスに送信される。
では、iPodの対抗馬となるポータブルメディアプレーヤーはどうなるのだろうか。「今後発表されるポータブル機器の領域でも、次第に利用可能になっていくだろう」と西田氏は述べている。
ネットを介したオーディオストリーミングはブロードバンド接続ならば何の問題もないが、ポータブル機器では必ずしもこうした接続が確保されているわけではなく、接続できてもデータプランにより制限を受ける場合がある。しかし、ソニーでネットワークサービスの製品企画を担当するマネージャーのChris Thielbar氏は、モバイル機器については機器本体のストレージシステムにデータをキャッシュする仕組みを設けるだろうと語っている。
価格やサービスの対象となる楽曲など、詳細については現時点で不明な部分がある。Thielbar氏によるとソニーはまだレコード会社と交渉中だという。
しかし西田氏は「クラウドに巨大な音楽ライブラリが作られる」と公言した。また同氏はQriocityが「サードパーティーの幅広いサービスプロバイダーのプラットフォームになり、これらのプロバイダーがエンターテインメント体験を魅力的で楽しいものにしてくれるだろう」と述べている。
記者向けイベントで行われたデモンストレーションでは、リモートコントローラによる音楽の選択機能が披露された。これにより、クラシックやオルタナティブなどの多彩なジャンル、10年区切りの年代、「プレミアム」コンテンツ、その人の気分に基づき音楽を選ぶソニーの「SenseMe」技術で配信されたものなどを選ぶことができる。
西田氏は「個々人の好みに合わせたチャンネルを通じて音楽を発見」できると説明し、「音楽ファイルを管理する必要はない。QriocityによるMusic Unlimitedが、われわれすべての音楽の楽しみ方を変える」と語った。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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