Hewlett-Packard(HP)は米国時間8月31日、メモリスタと呼ばれる、かつては理論上の回路技術だったものを製品化するパートナーとして、ソウルに本拠を置くHynix Semiconductorを選んだと発表した。
HPとHynixは共同でメモリスタを開発し、「ReRAM」と呼ばれる新しいメモリ技術としてメモリスタを商用化する計画だ。最初の製品は、おおよそ3年から5年のうちに入手できるようになるだろうと、HP Labsの情報量子システム研究所でディレクターを務めるR. Stanley Williams氏は述べた。
メモリスタ(「メモリレジスタ」を縮めた名称)は、1970年代にカリフォルニア大学バークレー校の研究所で初めて発見された。ただし当時は、レジスタ、コンデンサ、インダクタに続く第4の電気回路として、理論的に実現可能なことが示されただけだった。だが2008年、HP Labsの研究者らがメモリスタの開発に初めて成功した。
この第4の回路は、現在の携帯機器で広く使用されているフラッシュメモリと比べ、2倍の容量のデータをより少ないエネルギーで保存できることが分かっている。また、メモリスタは電荷を失うことがなく、放射線の影響も受けない。
メモリスタは、メモリセルを単一レイヤではなく複数レイヤで構成できる「スタッカブル」な技術であるため、保存容量を拡大できる。
メモリスタをベースとするReRAMがどんな種類の機器に利用されるかについては、まだ確定していない。だが、現在フラッシュメモリやDRAMが使われているような用途はいずれも検討の対象だ、とHPのWilliams氏は述べた。
「われわれは、(製品投入の時点で)フラッシュが扱える容量の、少なくとも2倍を搭載するであろう製品を対象とする。時とともに変化する対象だ」(Williams氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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