情報処理推進機構 セキュリティセンター(IPA/ISEC)は8月4日、7月度の「コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況」を発表した。また、IPAに寄せられる「ワンクリック請求」に関する相談件数が6月で累計2万件を超え、毎月の相談件数が2010年になってから常に600件以上で推移しており、被害が減少していないことから注意を呼びかけている。
ワンクリック請求では、たとえばアダルトサイトで無料動画を見ようと不用意にクリックして先に進んでいった結果、PCにマルウェアが埋め込まれる。これにより料金請求画面が数分おきに表示されるなどの事象が発生する。IPAでは、このような仕掛けが施されたアダルトサイトが毎月10サイト程度新規公開(リニューアルを含む)されていることを確認しており、それらを含め、常時20サイト以上のワンクリック請求を行うウェブサイトが稼働していることを確認している。
利用者は、いくつかのアダルトサイトを経て「はい」「いいえ」などの判断を促される画面に誘導される。この画面では「はい」や「いいえ」のボタンが強調されていることが特徴であるため、このような画面を見た場合には、「もしかして、罠ではないか?」と疑いを持つ慎重さが必要であるとしている。画面をよく見ると「セキュリティの警告」と書かれている場合もあり、このようなときは「実行」や「保存」のボタンを押すべきではないとしている。
万一、PCに料金請求の画面が表示され、料金支払いについて心配に思う場合でも、絶対に業者に連絡を取ったりせずに、最寄りの消費生活センターなどに相談するよう呼びかけている。
7月のウイルス検出数は約4万7000個と、6月の約4万1000個から15.9%の増加となった。届出件数は1209件となり、6月の1245件から2.9%の減少となっている。コンピュータ不正アクセス届出状況では、7月の不正アクセス届出件数は14件で、このうち9件に何らかの被害があったという。
相談件数は44件で、このうち23件が何らかの被害に遭っている。被害届出の内訳は、侵入5件、サービス拒否(DoS)攻撃1件、なりすまし3件となっている。ウイルス・不正アクセス関連相談総件数は2133件で、このうちワンクリック不正請求に関する相談が805件(6月は755件)、「セキュリティ対策ソフトの押し売り」行為に関する相談が5件(6月は7件)、Winnyに関連する相談が3件(6月は2件)、「情報詐取を目的として特定の組織に送られる不審なメール」に関する相談が1件(6月はゼロ件)などとなっている。
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