Appleは、サードパーティーの開発者がモバイルアプリケーションを開発して販売するためのプラットフォームを「App Store」で提供している。しかし、いくつかの重要なタイプのアプリケーションについては、自社で特許を取得しようとしているようだ。
Appleが旅行およびショッピング関連のアプリケーションに関して3件の特許を出願したことを、Unwired Viewが報じている。旅行の予約に関するものが1件、ホテルサービスに関するものが1件、高級志向のファッション小売りに関するものが1件だ。米特許商標庁(USPTO)が米国時間7月29日に公開したが、出願時期はいずれも2009年10月から12月の間だ。
旅行予約に関するアプリケーションは、旅行プランの予約、フライトのチェックイン、空港およびフライト情報の表示ができるというものだ。説明によると、機内サービスのリクエストや出迎える人たちへの到着案内の提供を想定していることから、航空会社が持つシステムとのある程度の統合が必要となるようだ。また、空港付近のレストランやエンターテインメント、旅行先に関する詳細な情報も表示するという。
ホテルサービスのアプリケーションも、ホテルの情報システムとのある程度の統合が必要になりそうだ。ユーザーはこのアプリケーションを利用してホテル到着前のサービスを頼んだり、チェックインやチェックアウト、ルームサービスやペイパービューの映画を注文することができる。付近のレストランの予約、現地で行われるイベントのチケットの購入など、独自のコンシェルジュサービスを提供することを目的としているため、このアプリケーションが普及すればホテルのコンシェルジュの出番が少なくなるかもしれない。
3件目は旅行関連ではないが、同様のリモートサービスの提供を目的としている。このアプリケーションを利用するユーザーは、招待者限定で高級志向の、プロモーションのためのファッションイベントに関する情報を受け取り、アプリケーションを通じて服を見たり購入したりできるほか、在庫を確認したりファッション小売店をレビューしたりすることもできる。さらに、個人の好みに基づいてお勧めのファッションを提示する機能もある。
ただし、いまのところ特許を出願したにすぎない点に注意することが重要だ。Appleを含め、技術系企業の多くは、ひょっとすると将来手がけることになるかもしれないというだけで特定の技術に関する特許を出願する。つまり、特許を出願したからといって、それが現時点でAppleが取り組んでいる技術であることを示唆しているわけでは必ずしもない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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