新たな収益源を模索するTwitterが、オンラインの世界で人気の期間限定セール情報をTwitter上で提供する新サービス「@earlybird」を開始した。米国時間7月14日に発表された初の@earlybird対象商品は、同日に米国で公開されたThe Walt Disney Studios配給の実写版新作映画「魔法使いの弟子」の限定ペア半額割引チケットだった。TwitterがDisneyと先進的な広告で提携するのは、Pixar Animation Studios製作の映画「トイ・ストーリー3」と連動した「Promoted Trends」に続き、今回が2回目だ。
残念ながら、Twitterとしては、この失敗作ともされるNicolas Cage主演、Jerry Bruckheimer氏製作の派手なアクション映画で@earlybirdを開始したくはなかったかもしれない。控えめに言っても、本作は必ずしも批評家たちから肯定的な評価を受けていないからだ。
現在、「魔法使いの弟子」の評価は次のようなものだ。「単なる特殊効果の寄せ集めであり、夏に手っ取り早く『ハリー・ポッター』の代わりになる映画を求める子供たちを狙った作品だ」「夏の大作映画のお約束ばかりが目立つ退屈で古くさい作品で、あまりにも多くの脚本家が関わったことで駄目になってしまったことがはっきりとわかる」「オスカー受賞歴のあるCageは最近になってその評価に汚点をつけるような作品にばかり出ているが、これもその1つだ」「このような出演料を得られるだけのつまらない映画を引き受けるとは、(Nicolas Cageの)経済状況は一体どれほどひどいのだろうかと思わせる」
なかでも傑作なのは、米ニュージャージー州の新聞、The Star-Ledger紙によるレビューだ。「Jerry Bruckheimer氏の作品ということで、混雑した街中を駆け抜ける荒々しいカーチェイスもある。魔法使いたちに車が必要というわけではなく、とにかくこれがJerry Bruckheimer氏の映画だからだ」。また、エンターテインメント情報サイトのUGOはこう書いている。「わたしは、(出演者の1人の)Jay Baruchelが大嫌いだ。話し方がとても独特で、わたしには『FIRE ANTS EATING THEIR WAY THROUGH MY BRAIN』(ヒアリがわたしの脳の中を食い散らしている)と言っているように聞こえる」
確かに酷評ばかりだ(ちなみに、筆者は「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」のBaruchelはとても面白かったと思う。特に、彼が演じる登場人物がHD-DVDとBlu-rayの争いについて熱弁を振るい始めるシーンはおかしかった)。
では、Twitterにとっては何が問題になるのだろう。まず、批評家はこの映画が駄作だということで一致しているようなので、@earlybird初の情報提供は、まともなお買い得情報というよりも、必死でチケットをばらまいているようにしか見えないという点が挙げられる。ユーザーがこれを買うかといえば、もちろん、特に安い映画チケットを探している親たちは買うはずだ。だが、毎日(あるいは、ほぼ毎日)お得情報を提供するのなら、Twitterの@earlybirdに限らず、成長し拡大するには徹底して品質を管理する必要がある。結局のところ、周りを見渡せば他にも類似のサービスは山ほどあるからだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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