Adobeは新しくリリースした「Flash Player 10.1」に多くの時間をかけたといっても、その多くは、ハードウェアに制約のあるスマートフォンで同ソフトウェアが動作するようにするためのものだ。スマートフォンでは現在、Flashの存在感がほとんどない。Flashのインターフェースは変わらなかったので、バージョン番号はほんの少し上がっただけだ。
Flashに3Dインターフェースを追加すれば、プログラマーにとっては大幅な変更となるため、リリース番号が完全に1段上がると予想される。多くの人々が、Adobeの(公に文書化されてはいるが)プロプライエタリなテクノロジに頼らずFlashの機能を再構築するという大規模な取り組みを進めていることを考えれば、Flashが3Dに完全に対応する時期はバージョン11のように思える。
Flashでできることの一部は、各種標準によって再構築されている。例えば、ウェブページの記述に使用されるHTMLや、フォーマットのために使われるCSS、そしてScalable Vector Graphics(SVG)テクノロジ、ウェブアプリケーションのプログラミング言語として好まれるJavaScriptなどだ。最近のブラウザには新しい時代が到来しようとしており、その例としては、Canvasと呼ばれるHTMLの2Dグラフィックテクノロジや、Web Open Font Format(WOFF)と呼ばれるCSSのダウンロード可能フォントテクノロジのサポートがある。
しかし、ウェブ上での3Dの未来は、はっきりしていない。Mozilla Foundationの「Firefox」、Googleの「Google Chrome」、Appleの「Safari」などの主要ブラウザは現在、WebGLと呼ばれる3Dテクノロジに対応しつつある。WebGLは、あらゆる場所でとは言えないにしても広くサポートされている既存の標準OpenGLに基づいている。
3DはWebGLで終わるわけではない。GoogleはWebGLを、「O3D」というブラウザプラグインとして始まった高レベルのウェブグラフィック3Dインターフェースをもたらすコードライブラリの基盤として用いている。
しかし、ここには問題がある。「Internet Explorer」(IE)だ。Microsoftは次の「IE9」で新しい標準を幅広くサポートする予定だが、WebGLはそのリストに含まれていない。
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