5月28日、iPadが日本に上陸。メディアでも大きく取り上げられ、インターネット上の口コミも盛り上がりをみせた。
参考:6月16日にネットレイティングスが発表したニュースリリース
「アジア太平洋地域におけるiPadの発売がネット上の口コミを活発に。iPadに関するネット上の口コミでは、肯定的な意見が否定的な意見の2.5倍」
その興奮も覚めやらぬ6月8日早朝(現地時間6月7日)、アメリカ、サンフランシスコではアップル社主催のWWDC(Worldwide Developers Conference:世界開発者会議)が開催され、スティーブ・ジョブズCEOによる新型iPhone(iPhone4)の発表が行われた。
弊社のバズ分析サービス、「BuzzMetrics」を使い、iPhoneに関する口コミを集計したところ、平常時のiPhoneの口コミはインターネット上の全てのメッセージの600件前後であるのに対し、新型iPhoneの発表のあった6月8日は1400件を超えており、2倍以上に増加していた。
その後、口コミは一旦沈静化したものの、iPhoneの予約開始前日の14日頃から再び増加に転じ、予約が開始された15日には2度目のピークを迎えた。予約開始前日は価格について言及している口コミや、購入を検討しているという口コミが多くなっていた。また、予約が開始された後は、予約が無事に完了したという安堵の声がある一方、「予約はできたが発売日に購入できるのか」「予約のシステムが遅い」「予約までに時間がかかりすぎる」「予約できなかった」という人気商品ゆえの不安や不満の声もあがっていた。
新端末の予約開始に関する口コミが一段落した頃、今度は既存の端末上でも動く新しいOS「iOS4」が公開された。公開日の21日には再び口コミ数が増加に転じ、新しい機能に関して「便利になった」、などの喜びの声があがる一方、「アップデートに時間がかかりすぎる」「アップデートによってデータが破損した」などの不満やトラブルが発生した人もいたようだ。
そのようなiPhoneユーザーの口コミが盛り上がる中、24日には新型端末iPhone4が発売された。発売当日の口コミには、行列で待っている様子を説明しているものや、購入の喜び、画面の美しさや操作性に対する感動の声がある一方、「予約したのに購入できなかった」「予約者が買えないのに予約していない行列に並んでいる人が購入できるのはおかしい」などの不満の声や、「7月まで気長に待つ」といったあきらめの声も見られた。
iPhoneユーザーにとっては悲喜こもごもな6月であったが、これだけ話題になっていることからも、iPhoneは主要なデバイスとして一般に広く浸透してきたと言えるだろう。
この口コミの効果を最大限に狙って次々と新しい手を打ってくるアップルには今後もますます注目である。
注:ここでいう口コミとは、インターネット上のブログや掲示板などに書かれた記事を指す
データについて
・Buzzボリューム:iPhoneについて言及しているメッセージの割合
口コミ全体の記事総量に対する割合で算出
・検索対象:ブログ、掲示板、Q&Aサイト
ツイッターは同サービスの日本語検索の不具合による情報収集量低下のため今回は対象外とした。
(ネットレイティングス アナリスト 中川優)
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