「iPhone 4」のアンテナ問題--アップルの説明とそれに対する疑問点 - (page 2)

文:Marguerite Reardon(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2010年07月07日 07時30分

 Appleは、iPhone 4だけでなく「iPhone 3GS」と「iPhone 3G」の受信問題も修正するフィックスを、数週間以内に公開するとしている。

 だが、ちょっと待ってほしい。本当にこのフィックスによって、新しいiPhone 4の通話が切れる問題を解決できるのだろうか。おそらくできないだろう。

 アンテナ設計会社AntennaSysのプレジデントであるSpencer Webb氏は、「Appleがこのソフトウェアフィックスで修正するのがバー本数の算出方法だけなら、それはバーを確認するのが好きな人の感情を静めるものでしかない。そして、電波強度の『バーを確認する』ということは、携帯電話の電波受信について技術的な結論を下す方法としては危険なものである」と述べている。

 実際のところ、あらゆる携帯電話において、ユーザーが目にするバーは誤解を招くことがある。これはiPhoneだけの問題ではなく、すべての携帯電話に当てはまる問題だとWebb氏は説明する。

 携帯電話は通常、複数の基地局の範囲内にある。これらのエリアの基地局はデバイスに絶えずpingを送信し、信号を渡している。そのため、携帯電話に表示されるバーの数だけで、電波強度を正確に判断するのは困難だ。電波受信について論じるときは、ネットワークの混雑具合など、ほかにも考慮すべき問題がある。

 これらの要素はすべて通話が切れる原因になり得る。そして、ユーザーが電波強度の低さや受信感度の悪さについて話しているとき、実際には通話が切れる問題について話している。電波が弱くても通話が途切れなければ、誰も気にしないし気づくこともない(ただし、電波強度が低いと、携帯電話の電池の減りも早くなる)。

 ユーザーが携帯電話のバーを確認するのは、電話をかけて通話を続けられる可能性を推し量るためだ。

 したがって、バーの本数の算出方法に修正を加えるというAppleの説明は、やや誤解を招くものだ。通話の切断が発生しているのなら、バー表示の数式を修正しても、通話が切れるという結果を変えることはできないだろう。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]