DWHアプライアンスが日本の分析市場を覚醒させる--ネティーザCEOが来日 - (page 2)

富永康信(ロビンソン)2010年07月01日 16時13分
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複数分散したDWHやBIの統合運用に着手

 第2に、「プラットフォームの統一」を図っていくという。

 Netezzaのユーザー企業は特定の目的でDWHアプライアンスを活用し、地理的に分散して導入する傾向があるため、複数のシステムが独立した形でさまざまな場所で稼働している状況にある。

 そこで、新たなサービスとして「Netezza Data Virtualizer」(以下、Data Virtualizer)を提供し、複数のシステムを統合して運用管理できるよう計画している。データ仮想化、データフェデレーション技術を持つComposite Softwareとのパートナーシップにより開発したData Virtualizerは、遠隔地に分散した複数のデータセンターにおけるデータウェアハウジングやデータマイニング、BIを一元管理するソリューションだ。例えば、本番環境でTwinFinを活用し、パフォーマンスを必要とするユーザーからあるクエリが上がった場合、Data Virtualizerがルーティングを行い、分散したシステムのどこにクエリを投げればいいのか、適切に判断する機能を持つ。

「Data Virtualizer」の構成例 複数のDWHアプライアンスを一元管理する「Data Virtualizer」の構成例。TwinFinだけでも構築が可能だ

迅速にビジネスバリューを生み出す「iClass」

 そして第3は、2010年秋に提供される予定の「Netezza Software Release 6.0」(以下、R6.0)へのアップグレードだ。

 Baum氏は、新たなソフトウェアの特徴について「データ圧縮アルゴリズムを改善し、独自のデータアクセラレーション技術との相乗効果によって、格納データ量とストリーミングのパフォーマンスが2〜3倍に強化される。また、多数のクエリのリクエストとリソースをプロビジョニングするワークロード管理を容易にする」と説明する。

 そして、R6.0の最大のポイントは「iClass」を標準でサポートしている点だ。多くの企業はBIによるレポーティングとアドホックな分析を行うためにMicroStrategyやSAP BusinessObjects、IBM Cognosなどの製品を活用するが、BIは「いつ」「どこで」「何が起こったか」という、過去の事柄にフォーカスしているのも事実だ。

 Baum氏は従来型のBIについて「あたかも自動車のバックミラーを見て、通り過ぎた出来事を眺めているようなもの」と表現し、将来を分析可能なデータマイニングや予測分析(Predictive Analytics)といった手法が世界で主流となっていると述べる。

 過去を振り返って将来を予測したら、今度は何が最良の選択なのかを判断する最適化(Optimization)が重要となる。それを実現するのがiClassであり、BIや予測分析をアドバンストアナリティクスのシステムの中に組み込めるようにしていく。

 これまで予測分析と最適化を実現するには、巨大なデータベースを管理し、より多くのアルゴリズムや膨大な演算が必要だった。iClassによって大量のデータと膨大な計算を同時に行うことができるようになるという。

 例えば、データ分析のプロセスには、データクレンジング、データ加工、モデル開発、モデルテスト、モデル展開、モデル進行といった数多くのステップが必要となる。中でも重要なのは、モデル開発とモデルテストだ。演算のモデルを作り、企業のパフォーマンスに応じて予測をするというのは、大量のデータを使用するため複雑で困難な作業となる。多くの場合、別途サーバを用意して、データベースを移動させなければならず、時間もかかる。iClassはデータ分析のプロセスを自動化し、データベース間のデータ移動も不要にすることで、アプライアンス内部で何度もデータを反復させながらモデル開発を行うことが可能になる。Baum氏は「ビジネスバリューを生み出す時間が格段に早くなる」と自信を見せる。

iClassの構造図 「iClass」の構造図。内部にはソフトウェア開発キットが備えられ、さまざまなプログラム言語がサポートされている。パフォーマンスの高い並列分析エンジンを採用し、データマイニングや空間分析機能も搭載されている

決して犠牲にしない「柔軟性」と「簡易性」

 また、欧米と比べて日本でBIや分析市場が拡大しない原因のひとつには、基幹系システムと同列でBIが取り扱われている点がある。変化の激しいビジネス環境では、分析軸も頻繁に変えていく必要があるが、そのスピードにツールが対応できなければ、次第に使われなくなってしまう。

 「まさにその通りで、日本におけるBIなどの情報系システムの大きな欠点は柔軟性に欠けていることだ」と指摘するのは、日本ネティーザで代表取締役社長を務めるDouglas Etzel氏だ。

 「日本ではDWHも基幹系システムと同じ感覚で構築するケースが見受けられる。Netezzaが決して犠牲にしないのは柔軟性と簡易性。データやアプリケーションを増やしてもチューニングする必要のないNetezzaこそが、日本のBIの問題を解決できる」(Etzel氏)

 最後にBaum氏は、2010年2月に発表したNECとのパートナーシップの成果である「NEC Infoframe DWH Appliance」について解説した。IBMのBladeCenterで実現したTwinFinのソフトウェアやデータアクセラレータなどのアーキテクチャは、他のハードウェアへのポータビリティも可能にしている。それを応用したのが、NECのサーバやストレージ、ネットワークなどのプラットフォームへ水平展開したNEC Infoframe DWH Applianceというわけだ。

 特徴は、ハイパフォーマンスだがシンプルな管理が可能で、コストパフォーマンスにも期待できるという点。R6.0への移行も問題はないという。現在はNECが販売しており、サポートもNECが担当している。

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