Evernoteは6月23日、日本法人「エバーノート株式会社」を設立したと発表した。3月のEvernote日本語版発表時に90日以内に日本法人を設立するとしており、これを具現化したもの。
エバーノートには、Vice President of Japanese Operationsとして中島健氏が就任した。中島氏は、ソニーでVAIOビジネス部門戦略担当として活躍していた人物だ。このほかにエバーノートの会長として外村仁氏が就任した。外村氏は、アップルジャパンのマーケティング本部長などを経てシリコンバレーの起業家として活躍している。
なお、エバーノートは米国のEvernoteが100%出資。今後はサポートやマーケティング、プロダクト開発のローカルスタッフなどを採用していく方針という。
今回の発表に合わせて、クラウド型のデータ連携サービス「Evernote」に新たに日本語文字認識機能を追加した。日本語の印刷文字を含む画像をインデックス化することにより、日本語でEvernote内のデータを検索できるようになった。日英が混合していても認識し、活字だけでなく手書きの文字も認識するという。
来日したEvernote CEOのPhil Libin氏は、日本における戦略やビジネスモデルを語った。
日本は、米国以外でアクティブユーザー率ナンバーワンを誇るという。毎日使うEvernoteのユーザーは57%が米国で、日本は18%。日本以外の10カ国を合わせた数よりも、日本のアクティブユーザーは多いのだという。
Phil氏は、「創立から2年未満で、ここまでの成長を遂げられたのは嬉しいこと」と語る。急成長したサービスとして、TwitterやFacebook、mixiなどの名を挙げ、「素晴らしいものだが、これらはすべてソーシャルコミュニケーションツール。一方で、Evernoteは友達のためでも同僚のためでもない、自分自身のために記憶を外部化するためのツール。広告の予算を持っていないにもかかわらず急成長を遂げているのは、すべて口コミによって広がっていった結果」とした。
Evernoteは、無料でサービスを提供し、さらなる機能を求めるユーザーにのみ課金する「フリーミアムモデル」だ。これについて、「有料ユーザーの割合が高ければいいというものではない」と言う。
「ゴールをどこに設定するかは重要な問題。多くの場合、有料ユーザーが多ければ多いほどいいと期待しがちだ。しかし、有料ユーザーと無料ユーザーの割合ではなくて、重要なのは実際に有料ユーザーの数がどれほどになるかだ。もし有料ユーザーの割合が高くなりすぎているのであれば、無料ユーザーがよりたくさん集まってくるように製品を改良していかなけらばならないということを意味している。長期的に見て、5%〜10%の有料ユーザーがいるというのが適切な割合ではないか」と話した。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス