米連邦通信委員会(FCC)は、2010年に入ってから重要な法廷闘争で敗北したことを受けて、ブロードバンドを規制する方法を探るための第一歩を踏み出した。
FCCは、米国時間6月17日の公開会議で、ブロードバンドの規制におけるFCCの役割を再定義するための3つの選択肢について、意見を求める手続きを開始することを票決した。FCCは、新しい提案に対する意見を求めることで、法的な足場を固めることを望んでいる。米連邦控訴裁判所は4月、FCCにはネット中立性の原則を破ったComcastに制裁を加える権限はないとの判決を下した。Comcastは、同社のネットワークでBitTorrentの転送を制限していたことが明らかになっていた。
一般からの意見が求められる3つの選択肢には、FCC委員長Julius Genachowski氏の「第3の道」が含まれている。これは、ブロードバンドトラフィックの再定義の提案で、FCCがブロードバンドサービスの分類を、規制のゆるいTitle I information services(第1編:情報サービス)から、より規制の厳しいTitle II telecommunications services(第2編:情報通信サービス)へ変更できるようにするものだ。AT&TやVerizon Communicationsなどのブロードバンドサービスプロバイダーは、「第3の道」提案に反対している。また、米議会の指導者の間にも反対意見が広がっている。
Genachowski氏は、自分が不利な立場に立っていることに気がついているようだ。政治的に言えば、同氏はObama大統領の支持者を満足させるようなことをしなければならない。Obama大統領は大統領選挙戦の中で、ネット中立性に関する規制を認めると約束していた。しかし、少なくとも74人の民主党議員を含む282人の米議員が、FCCに対し、ブロードバンドの再分類計画を撤回するよう求めており、FCCは別の選択肢を検討すると述べていた。
意見の一致した解決策を策定しようとする取り組みの中で、6月17日にFCCが可決した案では、別の選択肢も検討されている。「第3の道」に加えてFCCが意見を求めているのは、ブロードバンドの分類をTitle Iサービスにしたまま、米電気通信法(Telecommunications Act)の中で、FCCの補助的な権限を定義する別の条項を探すというものだ。もう1つの選択肢は、Genachowski氏は受け入れることができないと言っているが、ブロードバンドトラフィックの分類を、全面的に規制されるTitle IIサービスに完全に変更することだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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