米連邦控訴裁判所は米国時間4月6日、米連邦通信委員会(FCC)にネット中立性の規則をインターネットプロバイダーに課す法的権限はないとする判決を下した。
ワシントンD.C.の3人の判事は、FCCがComcastに対し2008年8月に出した停止命令を、全員一致で棄却した。Comcastは以前BitTorrentのトラフィックを減速させる措置を取り、その後2008年3月にそうしたブロック行為を自主的に停止していた。
D.C.巡回区控訴裁のDavid Tatel判事は、FCCが「自らが(規制権限を持つという)主張を(米国議会によって定められた現行法に)結びつけることに成功していない」ため、FCCはインターネットプロバイダーのネットワーク管理業務を規制する権力を持たない、と書いた。
この判決により、FCC委員長のJulius Genachowski氏(民主党)による主要な構想の1つは、終わりを迎えるかもしれない。Genachowski氏は2009年10月、ネットの中立性を保護する公式規則を策定する計画を発表した。しかし、議会はFCCにその許可を与えていない。FCCの提案には、Verizonなどのブロードバンド接続プロバイダーが反対している。
Comcastは声明で判決を歓迎し、「われわれの主たる目標は常に、疑いを晴らして評判を回復することだった」と述べた。ケーブル通信業界のロビー団体である全米ケーブル電気通信事業者連盟(NCTA)は、Comcastを含む連盟会員が「今後も引き続き、自由で開かれたインターネットを適切な方針として支持していく」と述べた。
ネット中立性の賛同者側は、この判決を受けて、FCCはインターネットプロバイダーに対し、価格規制やサービス品質管理、技術的な指定を含むような、固定回線に似た規制を課すべきだと主張している。Public KnowledgeのGigi Sohn氏は、「(FCCは)直ちに、インターネット接続サービスを一般通信事業者規制の下に移す手続きを始めるべきだ」と述べた。The Media Access Projectは、一般通信事業者規制に直接言及することは避け、FCCは「好みの合法的コンテンツおよびサービスにアクセスするインターネットユーザーの権利を保護する権限」を持たなければならないと述べた。
FCCは4月6日に出した声明の中で、同じ線に沿って考えていることを示唆した。FCCは、D.C.巡回区控訴裁が「この重要な目的を達成する他の方法に通じる門戸を閉ざす」ことはなかった、と述べた。FCCの広報担当者は詳述することを避けた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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