米連邦通信委員会(FCC)は、インターネットに旧態依然とした規制を適用する計画を進めているが、ワシントンでは、この計画を破棄するよう求める圧力が強まっている。
現在、米連邦議会の282人の民主党および共和党議員はFCCに対し、議員が米国の電気通信法の改正に取り組む間、本件に介入しないよう求めている。
米国時間5月28日、下院共和党議員171人が、FCC委員長Julius Genachowski氏宛の書簡に署名した。この書簡はGenachowski氏に対し、ブロードバンドを電気通信サービスとして再分類するというFCCの計画の中止を促すものだ。この再分類が実行されると、従来の電話サービスに適用される規則の多くをブロードバンドサービスにも適用することが可能になってしまう。
この書簡の前にも、下院民主党議員74人と上院共和党議員37人が24日、書簡を各党1通ずつFCCに送付し、ブロードバンドの再分類に対する懸念を表明している。それとは別に、エネルギーおよび商業対策委員会(Energy & Commerce Committee)の元委員長であるJohn Dingell氏(ミシガン州選出、民主党)も27日、Genachowski氏宛に書簡を送付し、「ブロードバンドアクセスサービスの規制に関して、FCCが現在進もうとしている方向に強い危惧」を抱いていると述べた。
ネット中立性を支持してきたDingell氏は、FCC自身ではなく議会がFCCの権限を明確にする必要があると述べた。Dingell氏によると、同氏はFCCのブロードバンドサービス再分類計画が「リスクをはらんでいる」ことに懸念を抱いており、それらのリスクにはFCCが実施するあらゆる変更を覆す可能性がある訴訟の提起が含まれているという。
連邦議会で反対の声が高まっているにもかかわらず、FCCは前に進むつもりだという姿勢を見せている。FCCは次回の6月の会合で、ブロードバンドサービスの規制の変更について審議するが、同委員会は5月27日、この会合の審議内容を公開する予定だと述べている。Genachowski氏の「第3の道」計画の下で、FCCはブロードバンドを再分類し、従来の電話サービス向けの規則を一部ブロードバンドにも適用可能にすることを提案している。
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