しかし、開発者にとって、消費者へ直接販売することが収入を得る唯一の手段ではない。Appleは、無料ゲームの開発者までもが自分たちの努力から一定の収入を得られる最も簡単な方法を考案したと考えている。それがiAdだ。Jobs氏は報道陣や一般の人々に向かって話すとき、常にマーケティングのことを考えて行動しているが、7日はそれをより前面に出して、観衆の開発者にAppleの広告プラットフォームを強く売り込んだ。「開発者が収入を得るのを助ける」ことがAppleの目標だとJobs氏は繰り返し述べた。
Jobs氏は、ユーザーがバナー広告をクリックしてもアプリケーションから離れることはなく、そのアプリケーション内に留まるiAdの仕組みを特に強調した。同氏はiAdの使いやすさについても力説した。Appleが広告を販売し、開発者は自身のアプリケーション内にそれらの広告を配置するだけで、Appleの広告売り上げの60%を得ることができる。 同氏は、既にAppleと提携済みの有名ブランドの名前(日産自動車やGeneral Electric(GE)、Campbell's、Best Buy、Geicoなど)も列挙し、「ハイエンドのブランドだ」と強調した。
それらを合計すると、iAdは2010年、既に6000万ドルに相当する広告インベントリを販売している。「Appleの目標は、開発者が収入を得るのを助けることだ」とJobs氏は再び述べた。
明言はされなかったが示唆されたのは、Androidには確かにアプリケーション内広告向けの多様なフォーマットが用意されているかもしれないが、AppleはiAdによって、開発者が可能な限り簡単にアプリケーション内広告を組み込めるようにしていく、ということだ。そして、Appleのプラットフォームのリーチがあれば、同社は多額のお金を支払う有名な広告主を取り込むことができるだろう。
以前からずっと、広告主やコンテンツプロバイダー、ガジェット購買者にとってのAppleの主要な魅力の1つは、同社が提供する上質な体験だった。それは「Mac」とiPhone、iPod、そして最近ではiPadにも当てはまる。iPhoneにライバルがいくつか出てきた今、開発者が今後もAppleが提供する上質な体験を信頼し続けるのかどうかは、時間がたてば分かるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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