それは既に自明のことだ。iPadアプリケーションは発売後2カ月で8500種類が公開されており、iPhoneアプリケーションも25万種類が公開されている。Jobs氏はApp Storeからダウンロードされたアプリケーションの総数が50億件に達したことを明らかにし、Appleのプラットフォームがライバルを大幅に引き離していることを強調した。
Jobs氏はiPhoneの市場シェア(28%で、RIMに次ぐ第2位)とモバイルブラウザの市場シェア(iPhoneが58.2%で首位)にも言及した。「Androidの12.7%の約2.5倍だ。この数字を見れば、皆さんも現状を広い視点から把握できると思う」とJobs氏は述べ、聴衆の笑いを誘った。Jobs氏はいずれの市場シェアについても、Nielsenのデータを引用した。数週間前に発表された一部の統計は2010年第1四半期におけるAndroidの販売がiOS搭載デバイスの販売を上回ったことを示しており、Nielsenのデータと相反する内容となっている。
Jobs氏は競合他社について言及したが、2週間前の開発者カンファレンスで繰り返しAppleを批判したGoogleほどあからさまな言い方はしなかった。Appleの最大のfrenemy(友でもあり、敵でもある存在)であるGoogleに対する皮肉はほとんどなかったものの、含みを持たせた発言はあった。例えば、Jobs氏が人気のiPadアプリケーション「Elements」に携わっている開発者の1人の言葉を引用したときがそうだ。Elementsのクリエーターは、同iPadアプリケーションの1日分の売上高が、同製品のウェブサイト上に掲載したGoogle広告の5年分の売上高よりも多い、とJobs氏に話したようだ。
お金の話は何度となく持ち上がった。Jobs氏は7月に開始される「iAd」について、明らかにAppleのプラットフォームがライバルよりも大幅に優れている点と見なしている。
Jobs氏のApp Storeに関する「お気に入りの統計」は、開発者が自らのアプリケーションを同ストアで公開することによって得られるものに関連する統計だという。Appleはこれまでに、開発者に10億ドルを支払った、とJobs氏は述べた。アプリケーションの売上高の70%は開発者に支払われる(残りの30%はAppleの取り分となる)。
Jobs氏はApple製デバイスがユーザーの財布の中まで食い込んでいることも強調した。「App Storeと『iTunes』『iBookstore』には1億5000万件の(クレジットカード)アカウントが登録されている。これはウェブ上のあらゆるストアの中で最も多い。したがって、人々が皆さんのアプリケーションを購入するための環境は既に整っている」(Jobs氏)
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