Gartnerによると、Hewlett-Packard(HP)は第1四半期、世界サーバ市場での売上高でIBMから首位の座を奪ったという。また同調査では全てのメーカーによる出荷台数は、前年比で23%増加したと述べている。
第1四半期の調査結果は、世界経済の回復に伴って、企業がサーバへの支出を増やし始めていることを示している、とGartnerは述べた。ただし、市場が回復しているとはいえ、第1四半期のサーバ売上高は2008年のピーク時の約80%にすぎない、とGartnerは指摘した。
「2009年には、多くのユーザー(企業)が所有するハードウェアのライフサイクルを延長した」とGartnerの主席リサーチアナリストであるAdrian O'Connell氏はZDNet UKに述べた。「わたしは市場が完全に回復したとは思わない。今はまだ回復している最中だ」(O'Connell氏)
2010年第1四半期のサーバ売上高は前年同期比で6%増加した、とGartnerは米国時間5月27日に発表した調査報告書の中で述べた。最も急速に成長しているセグメントはx86サーバで、出荷台数は25.3%、売上高は32.1%の増加を記録した。対照的に、RISC/Itanium搭載のUNIXサーバおよびメインフレームは出荷台数が28.5%減、売上高が26.9%減と、大幅に縮小した。
フォームファクタ別に見ると、最も好調だったのはブレードサーバで、売上高は前年同期比で40.7%増加した。ベンダー別では、HPが売上高ベースでサーバメーカー首位の座をIBMから奪った。第1四半期におけるHPの世界市場での売上高シェアは31.5%で、前年同期の28.8%から拡大した。その一方で、IBMは30.7%から28.4%へシェアを縮小させた。3位にはシェア15.6%で、相変わらずDellがつけた。4位は同6%の富士通だった。2009年4月にサーバメーカーのSunを買収したOracleは5位につけ、9.6%から5.6%へシェアを縮小させた。
IBMが首位の座から陥落したのは、企業が同社の「Power7」システムを購入するために買い控えをしていることも部分的な理由だ、とGartnerは述べた。
HPはEMEA(欧州、中東、アフリカ)地域で他社をより大きく引き離し、売上高ベースの市場シェアを40%超に拡大させた。IBMのEMEAにおける市場シェアは前年同期の29%から23.7%へと大幅に縮小した。EMEAでのサーバ総売上高の増加率は6.6%で、世界市場をわずかに上回った。EMEAにおける出荷台数は前年同期比で19.7%増加した、とGartnerは述べた。O'Connell氏によれば、英国での調査結果も概ねEMEAと同じ傾向だったという。
Gartnerによると、不況時にサーバの売上高が急激に減少したため、現在は一定の需要が存在する可能性があるという。ただし、その需要は2010年から2011年にわたって分散されるだろう、とGartnerは述べた。
「サーバ市場には一定の繰り延べ需要が存在する。しかし、企業はより大きな確信を得られるまで、今の回復期を慎重かつゆっくりと進んでいくだろう」とO'Connell氏は述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ
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