NHKは5月24日、地上放送で通常の4倍にあたる伝送を可能にする技術を開発したと発表した。
新開発された技術は「超多値OFDM技術」と「偏波MIMO技術」と呼ばれるもの。2つの技術を掛け合わせることで、大容量データの伝送ができ、現在1チャンネルで1番組の伝送をしている地上放送で、同時に4番組のハイビジョン映像が送信できる。
超多値OFDM技術は、OFDM信号のベースとなる各キャリアシンボルの信号点数を増やし、より多く情報を伝送する技術。最大64個の信号点を用いて6ビットの情報を伝送する現行方式に対し、新技術では最大1024個の信号点で10ビットの情報を伝送できる。
もう一方の偏波MIMO技術は、同一チャンネルに水平偏波と垂直偏波の2種類の電波を利用し、相互に異なる情報を同時に伝送する技術。現行の地上デジタル放送では、混信を避けるため水平偏波または垂直偏波のみを使っているが、双方の電波を同時に使用することで、情報量を2倍に増やせるとしている。
NHKでは、異なる情報に変調された2つの超多値OFDM信号を水平偏波と垂直偏波で送信し、それらを水平偏波用と垂直偏波用のアンテナで同時受信する実験を実施。その結果、それぞれの偏波で受信した信号は互いに他方の偏波と混信した状態にあったものの、2つの信号を解析し元データの復調に成功したという。
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