アドビ、アップルの批判に反論--「Flash」擁護キャンペーンを開始 - (page 2)

文:Stephen Shankland(CNET News) 翻訳校正:編集部2010年05月14日 08時05分

 Flashによってプログラマーは、ビデオストリーミングサイトやゲームから、株式チャートや写真アルバムにいたるまでウェブ上にあらゆるものを作成することができる。プログラマーが、ブラウザやOSの違いに関係なく、多くのコンピュータで動作する単一のプログラムを作成できるというのが、その大きな宣伝文句である。しかしAppleは、長い間にわたって「iPhone」および「iPod Touch」で、そして最近においては「iPad」でFlashを排除している。

 Adobeは、開発ツール「Flash Pro」の新しい「CS5」版について、何とか排除を回避しようとした。しかし、同製品が登場するや否や、Appleは2010年4月、「iPhone OS 4.0」ソフトウェア開発キットのライセンス内容を変更することにより、Flashおよび関連ツールを排除した。Adobeは、FlashをiPhone用に変換するこのツールに対する今後の開発を中止したが、クロスプラットフォーム性を掲げるFlashの約束が、iPhoneに搭載されないことで不完全な状態になっているのをうれしく思っていない。

 Adobeの反論に、Flashの製品生命がかかっているわけではない。Flashは非常に広く普及しており、他の代替製品の成熟度は低く、プログラマーらが明日からFlashを使用しなくなったとしても、Flashを利用する無数のウェブサイトが既に存在する。しかし、今回の批判が、Flashにとっておそらくこれまでで最も重大な脅威となっている、というのは過言ではない。

 Flashは、ウェブサイト上の動画向けのツールとして始まったが、当時のウェブベースのビデオの問題に対する容易なソリューションであったことから、その人気を確立していった。しかし現在では、HTML、CSS、JavaScript、SVGなど、さまざまなウェブ技術がFlashに代替するものとして徐々に成熟しつつある。Apple、Google、Microsoft、Opera、Mozillaなど、多くの企業がこれらの技術を推進しており、これらの企業は、Flashとそれよりも中立的なウェブ標準との融合が困難であるという不満を抱える一部のウェブデベロッパーらを取り込もうとしている。

 しかしデベロッパーらも、Appleのやり方に一概に賛成しているわけではない。あるプログラマーJonathan "Wolf" Rentzsch氏は、AppleがiPhoneにおけるFlashベースのアプリケーションを排除する方法が気に入らないため、自身の「C4 Mac」プログラミングカンファレンスを取りやめたという。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

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