Intelは米国時間5月4日、待望のスマートフォンおよびタブレット向け「Atom」チップを発表した。同社が優位を占めるPC市場とは異なり、スマートフォンおよびタブレット市場には、多くの手ごわいライバル企業がひしめき合っている。
これまで「Moorestown」という開発コード名で知られていた「Atom Z6」プロセッサシリーズは、Intelチップにスマートフォン市場での「道を開く」ことになるとUltra Mobility Groupのディレクターを務めるPankaj Kedia氏は述べた。IntelのAtomはこれまで、主にネットブックに使用されており、すべての主要なPCメーカーに広く採用されて、爆発的なヒット製品になっている。
「Moorestownは、特にスマートフォン市場への参入を焦点としているが、タブレットに対しても非常にうまく動作し、適切に対応する」とKedia氏は述べた。チップのパッケージは、Atom Z6シリーズのSoC(system on chip)と、付随するチップ2つから構成される。SoCは「スマートフォンの頭脳」であり、中核となるデータ処理、映像および音声ストリームの処理、グラフィックスなど、負荷の高い処理をすべて行うとKedia氏は述べた。
チーフAtomアーキテクトであるBelliappa Kuttanna氏は、「このAtomアーキテクチャは今回、ハイエンドのスマートフォンセグメントに向けて設計された」と述べた。
Intelの比較的消費電力の高いPCプロセッサと比較して、Moorestownの最も顕著な特長は、その省電力性である。「BlackBerryタイプ」のバッテリによるスタンバイ時間は10日間である。ウェブ閲覧やビデオ鑑賞時など、アクティブ状態での電池持続時間は約5時間であるとKedia氏は述べ、バッテリ寿命は、ハイエンドの「プレミアム」スマートフォンに匹敵すると主張した(Kedia氏は、プレミアムスマートフォンとして具体的な名前を挙げなかったが、Appleの「iPhone」やMotorolaの「Droid」がこれに含まれる)。
しかしIntelが誇る最大の特長は、性能である。「ウェブページに関連する性能を見てほしい。例えば、Javaスクリプトを多用したウェブサイトだ。具体的には、ウェブページの読み込みの速度である。われわれは、2秒未満を達成している。現在最高級の電話でも、9秒か10秒である」と同氏は述べた。「ウェブを完全に利用するつもりならば、性能が重要だ」とKedia氏は述べた。
この新しいAtom技術は、IntelとNokiaが共同で推進するLinux OSの1バージョンである「MeeGo」、Intelの「Moblin」(MeeGoがベースとするOS)、およびGoogleの「Android OS」をサポートする予定である。Kedia氏によると「ソフトウェアは、(同技術における)非常に重要な要素だ」という。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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