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“対話の時代”に意識しておきたい7つのトレンド--John Battelle氏

鳴海淳義(編集部)2010年04月15日 15時38分
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 ブログ広告ネットワーク事業を運営するFederated Media Publishingの取締役会長、John Battelle氏がOmniture Summit 2010で講演した。

 Battele氏はWired Magazineの共同創業者で、2005年に検索エンジンに関する書籍「The Search」を執筆した。講演ではソーシャルメディアの成長と、今後マーケッターが最低限押さえておくべき7つのウェブのトレンドを紹介した。

  • Nielsen//NetRatingsの調査データ

 冒頭、Battelle氏が持ち出したのはNielsen//NetRatingsが2007年12月に発表した古いデータ。当時、ユニークユーザー数で上位だったサイトはGoogle、Yahoo!、MSN/Windows Liveだった。しかし、前年からの成長率ではYouTube、Facebook、Wordpress.comなどのソーシャルメディアが圧倒的。この年、人々に会話を促す“カンバセーショナルメディア”が大きく成長した。後にはTwitterも続くことになる。

カンバセーションエコノミーという時代

  • Federated Media Publishingの取締役会長、John Battelle氏

 カンバセーショナルメディアの参加者と交流したいのであれば、これまでの考え方を改めなければならないとBattelle氏は語る。「我々はいま、必死に適応しようとしている時期にある。魚に足が生えて、いままさに陸地に上がろうとしている段階だ」(Battelle氏)

 自社のブランドは、否が応にも顧客同士の会話に晒されている。その会話はブランドの価値、売上に大きな影響を与えることになる。人々の会話のなかに登場しないブランドは、存在しないのと同じだ。だから参加しなければならないとBattelle氏は主張する。

 「会話に参加するには新しいスキルを学ばなければならない。そのスキルを“カンバセーショナルパブリッシャー”と呼ぼう。これがあれば、顧客やパートナー、そして競合他社でさえも巻き込んで、ブランドのエンゲージメントを高めるメディアを作り出せるだろう」(Battelle氏)

  • TOYOTA Conversations

 カンバセーショナルパブリッシャーの成功事例としてBattelle氏が挙げたのは、自身が協力した米TOYOTAのプロジェクト「TOYOTA Conversations」だ。

 TOYOTA ConversationsはTwitter連携サイト「TweetMeme」上に立ち上げたブランドチャンネル。Twitter上で交わされるTOYOTA関連の会話を収集し、ニュース、画像、動画などのカテゴリ別に並べたり、時間軸で区切って表示したりする。

 TOYOTAが運用するTwitterアカウントの発言を表示したり、Facebookのアカウント、YouTubeのチャンネルなどへの登録を促したりする。TOYOTAはTOYOTA Conversationsを通じてユーザーとの会話に参加し、リコール問題で傷ついたイメージを回復しようとしている。

 「これはチャレンジングな試みだ」とBattelle氏は言う。ブランドは本来、保守的な存在だからだ。

 ブランドがインターネット上の会話に参加して成功を収めるための秘訣は、企業に所属するすべての人がマーケッターであると自覚することだという。企業はマーケティング業務をほかと切り離した単独機能であると考えがちだが、企業に関わるすべての人の仕事であるべきだとBattelle氏は主張する。

 Battelle氏はすべての人がマーケッターであるために、意識しておくべきウェブのトレンドを7つまとめた。

1.Database of Intentions

 データベースは人々の意思の集合体。これはBattelle氏がThe Searchを執筆したときから訴え続けているキーワードだ。人々の発するシグナルを最初に集め始めたのは検索エンジンだ。検索経由で得られるデータにより、マーケッターの仕事は変化した。一方で検索以外のシグナルも目立ち始めたという。

2.Social Graph

 Social GraphはSearchの次を担うシグナルで、代表的なのはFacebookだ。人々は多くの時間を使って、自分のプロフィールを充実させ、ニュースフィードを介して人や企業へのエンゲージを高めている。「次の5年間はソーシャルグラフがあらゆる関係性の媒介になる」とBattelle氏は述べる。ただしプライバシーに課題があることも指摘した。

3.Status Update

 Twitter、Facebook、Google Buzzなど、自分がいま何をしているかを手軽に表明できる手段はたくさんある。「What's happen?は巨大なシグナルだ。顧客が自社のブランドについてどう考えているか、そこにははっきりと書かれている」(Battelle氏)。

4.Where are you?

 foursquare、yelp、Facebook、Twitter。多くの企業が人々の現在地情報を集めている。Battelle氏はこれを“チェックインジェネレーション”と呼ぶ。現在地情報が重要なのは、消費者が企業の販促を受け入れやすいからだという。マーケッターはこうした位置情報に反応することが今後5〜10年の課題になるかもしれない。

5.Mobile=Local=Realtime=Social

 モバイルは単一の戦略として考えてはいけないとBattelle氏は言う。もっともスマートフォンでダウンロードされているアプリケーションはFacebookのアプリだという調査結果もある。これまでに紹介した、Social Graph、Status Update、Where are you?という項目はすべてモバイルに結びついている。Battelle氏はこれらを統合して「MOLRS」(Mobile、Local、Realtime、Social)と呼んだ。

6.War of Web:Open vs Closed

 オープンなウェブとクローズドなウェブの間に断裂が起きつつあるという。FacebookやAppleのようにプラットフォームとして存在感が増すとそれが逆にハンデになることもあると指摘した。たとえば、データポータビリティの問題が出てくる。そのような場合に生まれる顧客の悩みを、マーケッターが解決できるようにならなければいけない。

7.All Marketer is Now Publisher

 ソーシャルメディアとモバイルメディアが発達したいま、「すべてのマーケッターはパブリッシャーでもあるべき」とBattelle氏は主張する。さらに「消費者はすでにマーケッターであり、パブリッシャーでもある」と続けた。誰でも情報を集められるし、誰でもニュースフィードを生み出せる世の中になっているからだ。

 「これがカンバセーションエコノミーだ。成功したければ、企業はデジタルメディアを最大限活用し、顧客と対話するしかない」(Battelle氏)

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