「すべてのモバイル機器を3D化したい」--シャープ、メガネ不要の3Dディスプレイを開発

加納恵(編集部)2010年04月02日 18時27分
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 シャープは4月2日、モバイル端末向けのタッチパネル付き3D液晶ディスプレイを開発したと発表した。2D/3D表示の切り替えが可能で、裸眼で立体表示を見ることができる。

シャープの常務執行役員液晶事業統轄兼液晶事業本部長の長谷川祥典氏 シャープの常務執行役員液晶事業統轄兼液晶事業本部長の長谷川祥典氏

 シャープの常務執行役員液晶事業統轄兼液晶事業本部長の長谷川祥典氏は「映像の3D化は、映画から家庭用へと広がり、現在携帯端末の目の前まできている。シャープでは2002年に3D液晶搭載の携帯電話を発売して以降、アミューズメント機器やパソコンなどに3D液晶技術を採用してきた。しかし商品は決して成功したとは言えないものだった。なぜ過去の事業がうまくいかなかったのかを我々なりに分析して開発したのが今回の3Dディスプレイだ。この登場により、すべてのモバイル機器を3D化していきたい」と話した。

 シャープが考える3D液晶搭載機器が定着しなかった理由は、(1)表示品位が低い、(2)モジュールの厚みの制約、(3)3D表示が一方向(横方向のみ)――の3つ。新開発の3D液晶ディスプレイでは、専用メガネを不要とした上で、輝度を従来品の250カンデラから500カンデラ、2D時の解像度を128〜166ppiから240〜330ppi、3D時の解像度を64〜83ppiから120〜165ppiへと向上させ、表示品質を改善した。

 また、バックライトの上に液晶ディスプレイ、さらに3D液晶スイッチパネルを搭載した構造ながら、3D液晶スイッチパネルにタッチパネルを一体化させ、通常のタッチパネル液晶と同等の薄さをキープしたとのことだ。

  • 視差バリア方式

  • 従来品と新開発品のスペックの違い

  • 従来品と新開発品のパネル構造の違い

 3D液晶は、3〜5インチ程度のモバイル端末向け。低温ポリシリコンの最大6倍の電子移動度特性を持つという「CGシリコン技術」を用い、画面の高輝度化、高精細化を実現。左右の眼に異なる光が届く「視差バリア」方式により、裸眼で立体視ができるという。

 視聴範囲は約30cm。シャープでは2010年上期にタッチパネル非搭載のタイプから三重工場で量産を開始するとしている。

 シャープでは、携帯電話、デジタルカメラ、ゲーム機などへの投入を見込んでおり、すでに引き合いもきているとのことだ。

  • 発表会場では3.4インチと3.8インチのデモ機が展示された。こちらは3D動画を再生

  • 3D静止画のデモ。デジタルカメラでの採用をイメージしたモックアップに収められていた

  • タテ方向での3D表示も可能

  • 2眼カメラと3D液晶を一体化し、撮影した映像を3Dでリアルタイム表示するデモ

  • 2眼カメラ部

  • このエントリーをはてなブックマークに追加