企業向けテレフォニー市場を攻略すべく長年にわたり取り組みを進めてきたMicrosoftが、米国時間3月24日、同市場向けの最新製品を発表した。
フロリダ州オーランドで開催されているイベント「VoiceCon」で、Microsoftは次期バージョンの「Office Communications Server」(OCS)のデモを初めて行った。
「Office Communications Server 14」というコードネームの新バージョンは、「Microsoft Office 2010」製品に組み込まれ、年内に発売される予定だ。
数年前から、Microsoftは各種のコミュニケーション機能が将来的に一本化されるとの見解を示し続けている。VoiceConの席上でも、MicrosoftのOCS担当バイスプレジデントのGurdeep Singh Pall氏は、3年以内にVoIP通話の半分以上が音声以外の要素を含んだものになると予測した。Pall氏はさらに、同じく3年以内に、新しいビジネスアプリケーションの4分の3にコミュニケーション機能が搭載されると述べた。
Pall氏はブログで「もっぱら卓上電話を中心とする、ハードウェアベースのシステムに基づくコミュニケーションは、急速に過去の遺物になりつつある。実際、今日の構内電話交換機(PBX)の多くは博物館にある。すでに過去の製品だ」と述べている。
このセリフに聞きおぼえがあるなら、それは、テレフォニーに取り組む計画を発表した2006年以来、Microsoftがずっとこの点を主張してきたからだ。
以来同社は、テキストメッセージングが中心だった「Live Communications Server」製品を、企業向けインスタントメッセージング(IM)ならびにプレゼンスサービスをテレフォニーと結びつけたOCS製品へと発展させてきた。
Microsoftは、取り組みは順調に進んでいると主張し、OCSはサーバ関連では最も成長の早い製品の1つで、この3年間、売り上げは毎年2ケタの伸びを見せているとしている。同社によると、「Fortune 100」企業の70%以上がOCS製品を利用しているという。
だが、多くの企業は、従業員に電話サービスを提供する主要手段としてではなく、IMとプレゼンスサービスを使うためにOCSを利用している。
Pall氏は、基調講演後のインタビューで、何千社もの企業が何らかの意味のある形でOCSの音声機能を利用していると語った。
次期バージョンのOCSにより、従来型のPBXや第1世代のIPベースのPBXシステムからのアップグレードを検討している、より幅広い企業を獲得する競争に向けた準備がようやく整ったと、Pall氏は述べている。
「この製品は、基本的に法人向けテレフォニーソリューションとなりうるものだ」とPall氏は述べた。新製品には、障害時の各拠点のサバイバビリティ確保やE911といった機能が追加される。「一般的な顧客層からは、PBXからの移行を検討する前に、こうした機能が当社の製品に搭載されていることを確認したいという要望があった」
Pall氏はまた、テレフォニー大手のAvayaやネットワーキングのリーディングカンパニーであるCisco Systemsなどのライバルメーカーとは今後も競争を続けると述べた。
「おそらく、業界で一番のライバルは依然としてCiscoだ」とPall氏は認めながらも、Microsoftが従来から持っている強みへと話題を移した。
「Ciscoはコラボレーションに力点を置きはじめているが、この話題については、われわれも大いに語る用意がある」とPall氏は述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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