新しいモバイルOS「Windows Phone 7 Series」をめぐる重要な疑問の1つは、搭載端末で複数のアプリケーションを同時に利用できるかどうかだ。
同OSについて、Microsoftはすでにさまざまな詳細を発表しているが、この疑問には明確に答えていない。理由の1つは、それが単純なイエスかノーで答えられる問題ではないからだ。
Windows Phone事業を指揮するAndy Lees氏が、2月にCNETの取材に対して語ったところによると、MicrosoftはWindows Phoneでマルチタスクに一部対応し、たとえば音楽を再生しながらアプリケーションを実行したり、通話をしながらカレンダーをチェックしたりできるようにする計画だという。同社バイスプレジデントのJoe Belfiore氏も、Windows Phone 7 Seriesのベースとなっている「Windows CE」のコアはマルチタスクに対応可能だと、取材に対して述べている。Windows Phone搭載端末ではこれを利用して、ウェブページや電子メールの読み込みや処理などをバックグラウンドで行うという。
しかしその一方でBelfiore氏は、アプリケーションをバックグラウンドで動かせるようになるとの期待を、開発者たちに抱かせるつもりはないとも述べている。それよりも、フォアグラウンドで別のものが動いている間、その他のプログラムが各自の場所を保持できるようにすることに、Microsoftは力を入れているという。
端末のメモリが少なくなった場合には、バックグラウンドで実行中のアプリケーションを「サスペンドすることになる可能性が高い」という。Microsoftはまた米国時間3月15日の発表において、Windows Phone 7 Seriesはプッシュ通知システムを備え、アプリケーションを実行していない状態でも更新やアラートが取得できると述べている。
しかし、細かく見ると気になる点もある。たとえば、別のタスクを実行しながら、端末に統合された「Zune」プレーヤーで音楽を再生することはできるが、同じことを、独自の再生技術を用いたサードパーティーの音楽アプリケーションで行うことはできない。これについてBelfiore氏は、Zuneプレーヤーを呼び出して再生する音楽アプリケーションを開発者が作成できるようにし、それによってマルチタスク対応にするかどうか、Microsoftはいまだ検討中だと述べている。
注意すべき点はほかにもある。「XNA」や「Silverlight」などのマネージコードで開発するのでなく、Windows Phone 7 Series向けのネイティブコードで開発できるかどうかだ。全体としての答えはノーだが、いくつかの例外は期待できる。たとえば、ローンチ時点では「Flash」をサポートしないが、人気の高いこのブラウザプラグインにいずれ対応する準備はあると、Microsoftは述べている。また、移動体通信事業者とハードウェアメーカーに、ネイティブアプリケーションの開発をある程度許可する可能性もあるという。
「いくつかの特定事案では、ネイティブコードを一部許可する計画だ」とBelfiore氏は述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス