Microsoftは、患者がオンラインで医療記録を閲覧可能になる新たなヘルスケアソフトウェアを明らかにした。
同社は米国時間3月1日、患者による診療履歴へのアクセス支援に関心のある病院を対象とした新しい「HealthVault Community Connect」ソフトウェアを発表した。
病院にかかった後、患者とその主治医はオンラインで診療記録の電子コピーを閲覧可能になる。また、同ソフトウェアを用いると、現在の医療情報をもとにして今後の病院の予約を事前に登録することもできる。
Microsoftによれば、病院の患者向けウェブサイトへログインすると、医師の記録や退院指導、処方せん、レントゲンや検査結果などを参照できるようになっているという。さらに、もし「HealthVault」の個人アカウントを持っていれば、そこへ医療記録のコピーを送ることもできる。HealthVaultは、Microsoftが提供している無料サービスであり、オンラインで全医療記録の保存管理が可能になる。
主治医やアドバイスを求める専門家も、患者の最新の診療記録や治療の経過などを参照するため、患者の医療記録へのアクセスをシステムに要求できる。Microsoftは、患者の医療記録に対して、アクセス可能な院外の医師のリストを病院が管理できるようになると述べた。
Microsoft Health Solutions GroupのゼネラルマネージャーであるDavid Cerino氏は声明で、「HealthVault Community Connectによって、病院と患者、ならびに院外で患者をサポートする診療チームの間で不足している、スムーズな電子情報の共有という診療プロセスにおける基本的な格差問題を解消していきたいと考えている。たとえば、患者と主治医が退院指導の電子コピーにアクセスできるならば、関連ある情報をその最も必要とする人々の手に渡し、その結果として、病院はより一層の医療効果を増進することができる」と述べた。
HealthVault Community Connectは、アトランタで今週開催のヘルスケア分野の展示会である2010 Annual Healthcare Information and Management Systems Society (HIMSS) Conference & Exhibitionにて発表された。
同ソフトウェアは、あらゆる規模の病院向けに設計されていると、Microsoftは説明する。また、病院の既存ネットワーク環境に統合可能で、Microsoftの「SharePoint Server」上でも動作する。HealthVault Community Connectは、2010年第3四半期に提供が開始される予定である。
システムの近代化による医療費削減へと進むなか、Microsoftや他のテクノロジ企業は、新たなヘルスケア製品の発表を続けている。Microsoftは、2009年にCVSと提携して、患者がHealthVaultのアカウントへ処方情報をダウンロード可能にした。さらに、同社はメディカル分野のポートフォリオを強化するための企業買収も進めており、最新の買収案件としては、2009年12月にヘルスケアソフトウェアメーカーのSentillionを買収する計画を発表した。
Microsoftの「Amalga」製品ラインは、医師や患者による医療記録のアクセスと管理をより容易にする設計になっており、ニューヨークプレスビテリアン病院を始めとする大病院でも現在導入されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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