Microsoftは米国時間2月17日、昔ながらの「Office」製品をインターネットの新たなトレンドと融合させるべく、「Outlook」にソーシャルネットワークからの情報を表示可能にするベータソフトウェアの最新版を発表した。
「Outlook Social Connector」というこの製品は、これまで「Office 2010」ベータ版向けに提供されてきた。Outlook Social Connectorのダウンロードサイトによると、新バージョンは、これまでのバージョンとは異なり、「Outlook 2007」と「Outlook 2003」にも対応して、複数のソーシャルネットワークパートナーに接続する。
Outlook Social Connectorを通じて、ユーザーは自分のソーシャルネットワーク上の友人からのアップデートの閲覧が可能となる。すでにLinkedInは、Microsoftが提供する同プログラムで最初の正式パートナーとなることを、2009年11月に発表していた。LinkedInに対応したコネクタのダウンロードは現在、同社のウェブサイトから利用可能になっている。
Microsoftは、FacebookやMySpace向けのコネクタが、2010年前半に提供されることを明らかにしている。
MicrosoftのDoug Thomas氏は17日、ブログ投稿で「本日よりOutlook 2010 Social Connectorのダウンロードが可能となっており、自分の友人がLinkedInで何をしているのかをOutlook 2010ベータ版からチェックできるようになった。Office 2010が出荷される頃には、同じ画面でFacebookとMySpaceの友人のアクションもチェックできるようになるだろう」と記した。
Associated Pressは17日になってから、この新たなソフトウェアに関して報じていた。
ソーシャルネットワークは、インターネットで現在注目されているアクティビティの分野であり、先日発表された「Gmail」に組み込まれる「Google Buzz」によって、さらに注目度が増してきている。しかしながら、複数のSNSからの最新情報のフィードを常にフォローし続けるのは容易でない。たとえ他のサービスからのアップデートをまとめる特定のサービスを導入することができたとしても、各アップデートをめぐる会話の流れは、しばしば別個に発展していくことになる。
とはいえ、より集約したコミュニケーションサービスを提供することは難問である。もしプロトコルが入手できたとしても、個別のサービスに異なるコミュニケーションプロトコルが存在し、多くのSNSが、最も人々に用いられる主要なサービスとなるべく競い合っている状況が存在している。さらに、SNSのステータスアップデートと電子メール、インスタントメッセージの間には、あまり明確ではないが境界線もある。
Outlook Social Connectorの場合、非常に多くの人々がOutlookを使用しているため、Microsoftは現時点ではある程度のアドバンテージを持っている。Outlook Social Connectorならば、1日を通じて継続的に使用されることも多い、すでに人々が慣れ親しんで用いているソフトウェア内で、ステータスアップデートを閲覧可能となる。
だが、Microsoftにとって難題もいくつかある。その1つには、Outlook Social Connectorで行えるのが、他の人の書いたステータスアップデートを閲覧することに限られ、自分で書き込むことはできない点が挙げられる。また、多くのソーシャルアクティビティが、仕事と関連してというよりは、インターネット上のパーソナルなつながりで生じるものであり、そういう観点からすると、Outlookよりも、Microsoftの「Hotmail」サービスのほうが断然適している。
Microsoftと長きに渡って対抗してきたMozillaも、人々のインターネット上のソーシャルライフの中心に地位を確保しようと努めている。「Mozilla Raindrop」プロジェクトは、ユニファイドコミュニケーション向けオンラインサービスに適したソフトウェアの作成を目指して立ち上げられた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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