パイオニア、カーエレ好調で7四半期ぶり黒字化--三菱電機などから資金調達

加納恵(編集部)2010年02月09日 22時01分

 パイオニアは2月9日、2010年3月期第3四半期(2009年10〜12月)の決算を発表した。カーエレクトロニクスが好調に推移したほか、構造改革の効果や固定費の減少により、営業損益を前年同期比113億5000万円の赤字から10億円へと黒字転換した。

 売上高は同9.3%減の1190億5100万円、経常損失は5億6600万円、当期純損失は38億7300万円となった。

パイオニア代表取締役社長の小谷進氏 パイオニア代表取締役社長の小谷進氏

 セグメント別では、カーエレクトロニクス、その他事業で黒字転換したほか、ホームエレクトロニクスは赤字幅を前年同期の97億5200万円から23億1800万円へと大幅に縮小した。

 コア事業であるカーエレクトロニクスは、減収になったものの、中国への生産移管による原価率の改善、固定費減少で増益に結びついたとしている。パイオニア代表取締役社長の小谷進氏は「引き続き第4四半期(2010年1〜3月)も黒字を計画しており、下期の営業利益は66億円となる見通し。上期の損失が140億円のため、通期で206億円の損益改善になる」と、好調さを維持すると話した。

  • 2010年3月期通期連結業績予想

 これを受け、2010年3月期通期の連結業績予想を上方修正している。売上高は前回予想時から60億円減の4450億円としたものの、営業損失は同255億円から216億円、経常損失は同300億円から271億円、当期純損失は同595億円から540億円へと赤字幅が縮小する見込みだ。

 説明会場では中期経営計画にも触れた。「2009年3月期までの業績不振は、プラズマディスプレイ事業における巨額の赤字、採算性の低い光ディスク事業が主な要因。ホームエレクトロニクスに関しては抜本的な構造改革が必要と考えている。カーエレクトロニクスに関しては、コスト構造を見直すことで、ボリュームゾーンを狙えるコスト競争力のある製品を投入していく。これら取り組みにより売り上げの拡大に依存せず、確実に収益を挙げられる体質改善を図っていく」(小谷氏)とした。また「市場拡大の見込める新興国、特に中国に注力していく計画」と重点地域を挙げた。

 積極的に取り組んでいる他社とのアライアンスに関しては、有機EL照明に関する共同開発として三菱化学、カーナビゲーションシステム関連の共同開発を拡大強化するとして三菱電機との新たなアライアンスを組むことも正式発表した。

 アライアンスの一環として2社を引受先とする第三者割当増資を予定、三菱電機から約25億円、三菱化学から約6億円を調達する。あわせて海外で新株式を発行する。

 新規事業となる有機EL照明に関連して「子会社の東北パイオニアが有機ELパネルの開発ラインを持っており、これを活用した照明灯を開発して供給していく。この事業が収益に貢献してくるのは2013年以降になると思う」(小谷氏)と事業方針を説明した。

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