富士通は、2009年4-12月累積の連結決算を発表した。売上高は対前年同期比5%減の3兆3334億700万円、営業利益は同15.2%増の153億9500万円、経常利益は11億1700万円(前年同期は145億1600万円の損失)、当期純利益は473億7000万円(前年同期は361億2000万円)で、減収増益となった。2009年度通期の連結業績予想は、売上高が同1.2%増の4兆7500億円、営業利益は同30.9%増の900億円、経常利益は同4.65倍の700億円、当期純利益は950億円(前年同期は1123億8,800万円の損失)。
第3四半期(2009年10-12月)の業績は、売上高は同8.8%増の1兆1467億円で、二桁減収の続いた第1、第2四半期からは大幅に改善し、前年度第1四半期以来6四半期ぶりの増収となった。営業利益は336億円となり、251億円の損失だった前年同期と比べ588億円改善した。ロジックLSIの事業構造改革の進捗による改善効果やHDD事業の譲渡が影響したほか、携帯電話や電子部品、オーディオナビゲーション機器の増収効果、光伝送システムなどのコストダウンなどが好影響した。
経常利益は308億円で、前年同期と比べ767億円改善した。営業外損益は179億円の改善で、為替差損益が好転したほか、前年同期に欧州でパソコン、サーバの販売が低迷していた富士通テクノロジー・ソリューションズ(FTS)を連結子会社化したことによる持分法損益の改善、固定資産廃棄損の減少などが貢献した。
富士通は、FTS、富士通サービス(FS)の再編に伴い、ドイツやスペインなどで先行実施した第2四半期に続き、この第3四半期で英国やアイルランド地域、オランダ、ドイツなど欧州大陸地域での人員合理化にかかわる費用150億円を事業構造改善費用を特別損失として計上した。
さらに富士通は、株式交換によりPFUを完全子会社化することも合わせて発表している。世界的に強い競争力を持つイメージスキャナ事業をさらに強化するため、同事業を富士通グループに集約。オープン化、クラウドコンピューティング時代を見据え、他社ネットワーク機器などを使用したITインフラシステム構築と、それら機器の保守を提供する「マルチベンダーサービス」、仮想化など得意分野への集中を促進することなどが主な狙いだとしている。
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