ワシントン州レドモンド発--Microsoftの広大なキャンパスの中で、25号棟1階の会議室は、ほかの建物にある多数の部屋と大きな違いがあるようには見えない。
窓が1つあるが、景色のほとんどは大きな木立のせいでよく見えない。設備は、コンセントとイーサネット用ジャック、スクリーン、プロジェクタなど一般的なものだ。だが、地震や洪水、ハリケーンや津波の際には、この部屋はMicrosoftの緊急対応活動の拠点となる。
ただし、そのときでも、地球の裏側のどこかで災害が発生していることを見極めるのは、難しいかもしれない。というのも、Microsoftの災害対応チームは仮想的なもので、活動のほとんどはオンラインで行われているからだ。本社内で共同作業をしている人でさえ、近くの同僚と話し合うのではなく、ノートPCに張り付いていることが多い。
Microsoftの災害対応担当シニアディレクターClaire Bonilla氏は、「多くの人々が電子メールを送信しているだけのように見えるだろう」と言う。
Microsoftの緊急対応活動を率いるメンバーはおよそ65名で、全体で160名ほどの専任従業員がいるが、最も忙しい時でさえ、メインの災害対応室には20名程度しかいないかもしれない。
災害が発生すると、Bonilla氏をはじめとする対応チームが活動を開始し、最も近いMicrosoftの支社に連絡を取る。同時に、同社従業員の消息確認、パートナーや顧客企業への連絡、国際救援隊に対する緊急支援の提供に努める。
Microsoftは、国際救援隊と協力し、「OneResponse」というポータルをすぐに立ち上げる。これは救援隊が自身の活動の調整に利用できるものだが、地味でもある。まるで10年前のウェブサイトのようで、メインページに数多くのテキストリンクが並んでいる程度だ。
OneResponseは、最新の「SharePoint」技術を使って構築されているが、わざと簡素なデザインにしてある。自然災害の直後では、貧弱なインターネット接続しか利用できないことがよくあるので、そのような環境でも動作するようにするためだ。
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