GMOペイメントゲートウェイ(GMO-PG)は1月21日、ソーシャルアプリに特化した決済サービスを開始することを発表した。JCBやVISA/MasterCard発行カード会社の協力のもと、2月中にサイバーエージェントなど主要なアプリ開発会社に提供する予定だ。
ソーシャルアプリとは、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)上で動作するアプリで、SNS内のユーザーのつながりや交流を活かしたゲームやツールなどを指す。GMO-PGはこうしたアプリに対し、クレジット決済サービスを提供する。
GMO-PGによれば、ソーシャルアプリのユーザーは増加しているものの、決済代行会社やクレジットカード会社などとの条件交渉や審査、登録、決済手段の組込みなどがアプリ開発者の負担となり、有料ソーシャルアプリの普及が遅れているという。
同社の決済サービスはPC向けソーシャルアプリの決済に利用する。アプリに組み込みやすいように、OpenSocialと連携するモジュールを提供する。さらに一律料金制の導入とクレジットカード決済導入期間の短縮により、通常1カ月以上かかっていた手続きが、2週間になる見込みだという。
2月中にサイバーエージェントグループ各社やリアルワールドなどのソーシャルアプリプロバイダがGMO-PGの決済サービスを導入することが決定しており、3月までには海外の大手SNS向けにアプリを提供する予定のドリコムも同決済サービスを導入する。
ソーシャルアプリプロバイダがこの決済システムを利用する際に支払う料金は、月額固定費が2万円と手数料が売上の5%。初期費用は10万円程度になるという。アプリからの1回の決済処理単価は1000円以上に設定される。いずれはPayPalによる小額決済にも対応する予定だ。
GMO-PGは3月をめどに、アプリ開発会社、有名ゲームクリエーター、広告関連会社など十数社から1口10万円の出資を募り、共同事業体を設立することを検討している。まずは決済システムの導入企業がそのまま出資者になることを想定している。
有限責任事業組合や合同会社、株式会社など、なんらかの共同事業体を設立することで、参加各社の強みをいかした迅速なサービス展開が可能になると見ている。「1社で運用するとむしろ立ち上がりが遅くなる。共同体で利益をシェアすることで意見が集まり、より良いサービスになるはず。ビジネス自体をオープンにしていきたい」とGMO VenturePartnersの村松竜氏は話す。
この共同事業体では、ソーシャルアプリ決済サービスのほか、スマートフォン関連アプリ、広告配信、サーバ技術、ポイントサービスなどの関連サービスと連携する事業を展開していく。
GMO-PGは2011年の日本国内ソーシャルアプリ市場(課金による流通高)を約1000億円と予想している。
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