吉田氏:たしかに、そうなっていたと思います。僕は自分でroot権限を得てガリガリと使い込みたいわけではなくて、あくまでも私のビジネス(CMSを利用したウェブサイトの制作や構築)のお客様に対して、最適なサーバ環境を作ることなので、比較的サーバの管理に工数を取られたくないんです。
ですが、技術的な点で疑問やトラブルがあると、本来の仕事よりも管理のほうにのめり込んでしまうんです(笑)。だから、そういうことを避けるためにも、マネージドサーバのようなサービスは非常にありがたいです。
小山氏:最初はマネージドサーバのコンセプトがよく分からなかったんです。新サービスなので、サービス名も聞き慣れなかったし。しかし、共有サーバの使い勝手がそのままで、専有できるサービスというのは、実はぽっかりと空いていたところなんですね。
私は自分のビジネス(システム設計やアプリケーションの開発、ITコンサルティング)でお客様のシステムを構築するときに、さくらのレンタルサーバのライトプランやスタンダードプランを使うことが多いんです。安いし即日に利用できるので、まずはそれでシステムを立ち上げてしまうわけです。そして、使い方に慣れた人が、もっと高スペックな環境に移りたくなったときに、マネージドサーバならほとんど同じ操作法だというのは、かなり有効だと思いますね。
田中社長:サービスのネーミングに関しては、今でも社内で議論のあるところなんです。当初は「さくらのレンタルサーバ・マネージドプラン」という案もあったんです。
実は、似たような名称でハウジングサービス向けにサーバやネットワーク機器の監視、運用保守を代行する「マネジメントサービス」という新サービスを同時期の2009年12月に発表していまして、そちらと間違われる方もいらっしゃるんです。
小山氏:当初案のほうが、わかりやすかったかもしれませんね。あるいは「さくらのレンタルサーバ・専有プラン」とか。
吉田氏:そうですね。専有の方がわかりやすいですね。
田中社長:そこは、いまだに悩んでいるところなんです(笑)。
吉田氏:今回試用して気になったのは、データベースのパフォーマンスです。さくらのレンタルサーバは、データベースに個数制限(注:さくらのレンタルサーバ ライトプランはデータベース利用不可)がありますね。たとえば、最上位のビジネスプロでは3個というように。それが、マネージドサーバだとデータベース数を制限なく使えるのが魅力です。しかし、そこで気になるのがどれだけ負荷がかかるかということです。
私のビジネスでは、オープンソースCMSの「Joomla」を使っているのですが、CMSはレスポンスの速い環境かどうかが重要になります。実際にビジネスプロを借りて、Joomlaを同時に8システム稼働させているのです。マネージドサーバを試用して4システム稼働させてみたのですが、ビジネスプロのほうが反応がいいような気がします。厳密で正確に比較したわけではないので、感覚的なものですが、個人的に気になるのはいったいいくつのCMSを入れても安定して稼働するかの目安というか、指標的なものが欲しいです。事例でもいいでしょう。
僕の感覚だったら、20システムが可能なら使おうかなと思うんですけど、それが10システムだったら考えてしまいますね。耐久性を見たときにCMS、たとえばJoomlaを10システム入れて、企業のウェブサイトを運営したときに、どこまで耐えられるのかが一番知りたい。指標があると他の事業者との差別化になると思うんです。そんなに正確じゃなくてもいいので、目安としてわかるものが欲しい。特にデータベースを使うものについては重要です。
田中社長:たとえば、こういう用途のお客様の例だと、このくらいのパフォーマンスでした、という事例を公表できたら差別化になりますかね?
吉田氏:はい。僕を実験台に使ってくれてもいいです(笑)。こうした例をユーザーの方は求めていると思います。たとえば20システム入れたらこんな状況でした、など。オープンソースソフトを使っているけど、ここまでは大丈夫、という事例を蓄積していくといいのではないでしょうか。
田中社長:マネージドサーバに関しては、現状でネットでの情報が少ないというのと、私どもの側からも十分に発信ができていないという点は反省すべきだと思っています。検討させてください。
田中社長:考えてみると、さくらのレンタルサーバは大きく分けると2つのユーザー層があるかもしれません。ブログをやるというユーザーが1つで、もう1つが意外と多いのですが、プログラムやアプリケーションを導入してプラットフォーム的に使うというユーザーです。後者に対しての取り組みが、まだ中途半端なのかもしれません。
小山氏:でも、今回のマネージドサーバにモニタリングツールが付いたのは非常にいいと思います。実際にオープンソースソフトを入れたときに、メモリなどの使用量が分かるので助かります。
田中社長:そうですね。プラットフォーム的に使うユーザーを想定して作った新サービスなので、そういうお客様だとパフォーマンスを気にされるのではないかと。機能などは仕様として書けるんですけど、パフォーマンスってプログラムや利用方法によってまったく変わっちゃいますから、なかなか事業者のほうから公表するのは難しいという現実もありますが、いろいろと考えていきたいと思います。
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