Mozilla Foundationは、新しい更新戦略の一環として、「Firefox 3.6」の最終版を1月後半に、コードネーム「Lorentz」と呼ばれる安定性向上のための更新を3月までにリリースしたいと考えている。
MozillaのFirefox担当ディレクターMike Beltzner氏は、先々週の末にリリースされたFirefox 3.6のリリース候補第1版を使用している100万人以上のユーザーからのテストデータを精査している。Beltzner氏は米国時間1月12日、これまでのところその結果に満足していると述べた。
同氏は「これまでのところ致命的な問題は見つかっていない」と述べ、今後も重大な問題が見つからなければ、「1月後半の2週間のどこかでリリースすることを考えている」と言う。
Firefox 3.6での最も目に付く変更点はPersonasだ。これは、アートワーク、スポーツチームのロゴ、映画の画像などのグラフィックスでブラウザの外観をカスタマイズできるメカニズムで、これまではプラグインとして提供されていた。そのほかの変更点としては、安定性を向上するために、サードパーティー製ソフトウェアがFirefoxのファイルシステム領域に侵入することを防ぐようになった。また、Web Open Font Formatと呼ばれるテクノロジがサポートされることにより、英語以外の言語を使う多くのブラウザユーザーが、ダウンロード可能なフォントを使ったウェブページをより高速に読み込めるようになる。
さらに、「Google Chrome」からの競争上の脅威を考えればおそらく最も重要と思われる変更がある。Mozillaによると、新バージョンは現行のFirefox 3.5に比べて、起動とページの読み込みが高速になり、ユーザーインターフェースのレスポンスが向上し、ウェブベースのJavaScriptプログラムを約20%高速に実行するよう設計されているという。
Firefox 3.6の内部に追加されたものに、Fileインターフェースのサポートがある。これは、複数の写真をアップロードするといったタスクに役立つもので、HTML5標準策定のための草案に含まれている。そのほかの内部の変更点としては、スクリプトの非同期実行がある。これにより、優先度の高い作業が完了するまでほかの作業を後回しにすることで、ウェブページをより速く読み込めるようになる。非同期機能はGoogleやFacebookといったサイトが利用している。これにはウェブデベロッパーが対応する必要があるが、追加するのは難しくないとBeltzner氏は言う。
MozillaはFirefox 3.6を2009年中にリリースしたいと考えていたが、Firefox 3.6と4.0にもう少し時間をかけることにした。オープンソースブラウザであるFirefoxは、Net Applicationsの調査によると世界のインターネットユーザーの約4分の1が使っており、支配的なブラウザであるMicrosoftの「Internet Explorer(IE)」に対し重要な挑戦を行ってきた。
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