ブラウザの更新に関して注意を要することの1つは、何も乱すことなくすべての関係者を移行させることだ。これには、ソフトウェアの変更によっていら立ちや混乱を覚える可能性のあるユーザーだけでなく、自分のサイトに不具合が生じることを望まないウェブデベロッパーや、ブラウザのアドオンを開発するサードパーティーのプログラマーも含まれる。
現在のところFirefoxでは、何か大きな変更があるときには、これらのグループのために比較的慎重にことが進められている。例えばFirefox 3.5.6から3.5.7への更新のリリースは、バグやセキュリティホールの修正が必要になったときに行われる。
しかしLorentz以降では、介入的でない変更もリリースしたいとMozillaは考えている。つまり、セキュリティや安定性だけでなく、Beltzner氏が「可能化」と呼ぶものも、マイナーアップデートのきっかけとなる。
「このモデルがうまくゆくことが分かったら、短いサイクルでリリースすることの困難さがいくらか緩和される。対話式の変更に多くの時間を割いて、そのような多数の変更を(メジャーリリースとして)まとめることができるようになる」(Beltzner氏)
Beltzner氏は、この新しいアプローチは、Firefox 3.7および4.0と呼ばれているバージョンに向けて進行中の作業に流動性をもたらす可能性が高いと言う。
「人々の頭の中では、この機能は3.7、あの機能は4.0といったように、多数の機能がバージョン番号に結び付けられているが、これは常に流動的な目標だ。われわれが特定の期間内にある機能を完成できるという自信を持てたら、リリースの形は変わる可能性があるし、リリース(時期)も変わる可能性がある」(Beltzner氏)
Beltzner氏によると、同氏とMozillaのエンジニアリング担当バイスプレジデントであるMike Shaver氏は、そういった変更を反映させた新しいロードマップをリリースしたいという。新しいJetpackアドオン基盤などの機能を備えた、現在Firefox 3.7と呼ばれているものは、第2四半期中にベータ版として、第3四半期に最終版としてリリースされる可能性があるが、バージョン番号は変わるかもしれず、4.0となることもありうる。
これは都合のよい勝手な変更のように思えるかもしれないが、Mozillaは、番号の付け方よりも、ブラウザをスムーズかつ迅速に更新することを重視している。Beltzner氏は、このアプローチによって最終的に、例えばFirefox 4.0で予定されているコンテンツにより多くの表示領域を割り当てる新しいユーザーインターフェースへの移行が早まる可能性もある、と述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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