Microsoftは、「Microsoft Word」の特許侵害訴訟に対する控訴審に敗れ、販売差し止めを回避するため、同製品の変更を迫られることとなった。
i4iという企業がMicrosoftを提訴した特許侵害訴訟に対し裁判所は2009年5月、WordのカスタムXML機能においてMicrosoftがi4iの特許の1つを侵害しているという判決を下した。8月にはWordの販売差し止め命令が下され、Microsoftが控訴していたが、同社は米国時間12月22日、この控訴審にも敗訴した。
i4iの会長を務めるLoudon Owen氏は声明で、「一審判決を全面的に支持した今回の控訴審判決(PDFファイル)に非常に満足している。これは、i4iの勝訴を表すものであると同時に、特許を侵害されている有能な発明家らの勝利を意味するものでもある」と述べた。
8月に下された差し止め命令によると、問題の技術は、「カスタムXMLを含む.XML、.DOCXまたはDOCMファイル(XMLファイル)を開くことのできるすべてのMicrosoft Word製品」に関連するという。i4iのOwen氏は当時、Microsoftの最も収益性の高い製品の1つである同製品の販売を停止させるつもりはないと述べており、実際のところこうした状況にはならないようである。
Microsoftは、2010年1月11日以降に販売されるすべての「Microsoft Word 2007」から同機能を削除する予定であると述べた。それ以前に販売されたWord 2007は差し止め命令の対象ではなく、「Word 2010」は同技術なしで設計されていると同社は述べた。
Microsoftの広報担当ディレクターを務めるKevin Kurtz氏は声明で、「差し止め命令の件については迅速に対応しているが、連邦巡回区控訴裁判所への再審請求や、米国最高裁判所への事件移送命令の請求を含む、法的な選択肢についても検討中である」と述べた。
今回の判決によりMicrosoftは、裁判所が命じた2億ドルの損害賠償金に加え、その他の経費と利子も支払わなければならない。総額は2億9000万ドルに上るとReutersは報じている。
記憶に新しい他の有名な特許侵害訴訟の原告側企業とは異なり、i4iは実際に事業を展開しているようである。トロントを拠点とする同社は、企業向けにXMLを用いて作成した文書の公開や整理を支援しており、製薬およびバイオ技術業界において特定市場を開拓しているようである。
今回の訴訟の対象となった特許番号5787449は、1998年7月に発行されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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