詳細画面では、被験者の視線がコース内容や飲み放題メニューに集中しています(図3)。忘年会に参加するメンバーの好みを把握した上でコース内容、飲み放題メニューの内容をくまなく確認していると思われます。
コース内容や料金を確認し、候補としてふさわしくないと判断した際には一覧画面へ戻るものの、さらに検討したいお店の場合は「クーポン」「地図」へと遷移する行動が多く見受けられました。
幹事としては、クーポンによる割引情報は欠かせないところです。クーポン自体がお店を選択する決め手にはならないものの、料金に関わる重要な要素としてチェックされています。そして、お店に対する期待値が高くなると、地図でお店の場所を確認するようです。被験者がお店の地図を確認した場合、そのお店が候補として残る可能性が高い傾向にありました。
今回のタスクでは、詳細画面で口コミを参考にする被験者は一人もいませんでした。タスク終了後、お店選びの際に口コミを参考にしなかった理由を尋ねたところ、「口コミまで参考にしてしまうと忘年会のお店選びとしては選定基準が多くなりすぎてしまう」「会社の同僚たちとの忘年会ならお店にこだわる必要もなく、仮にお店選びに失敗しても特に問題はない」と被験者たちは口を揃えました。
接待、デートなどの失敗できないシチュエーションでは口コミを参考にするものの、忘年会の場合はお店選びに失敗したとしてもそこまで大きなリスクではないという認識があるようです。
今回は候補となるお店をピックアップしてもらうまでがタスクとなっているため、詳細画面を入念に確認している被験者はいませんでした。しかし、実際のお店選びではここからさらにお店を絞り込む必要があります。ピックアップしたお店同士を比較するために、タスク中は別ウィンドウ(またはタブ)で候補のお店のページを開いたままにしておく、そのお店のページをお気に入り(ブックマーク)に登録するなど、被験者独自の比較方法が実験中に垣間見られました。
そのようなお店同士の比較、検討のために、ぐるなび、FooMooともに見比べリスト機能が実装されています。しかし、このリスト機能を使用した被験者は4人中1人のみで、そのほかの人はリスト機能の部分に視線を向けていませんでした(図4)。
リスト機能を使用しなかった被験者に理由を尋ねたところ、「リスト機能があることを知らなかった」「知ってはいたが使ったことがない」という意見が上がりました。ぐるなび、FooMooをよく利用する被験者にも、リスト機能はそれほど認知されていないようです。
テスト終了後、実際にリスト機能を被験者に使用してもらったところ、「次回はぜひ利用したい」という被験者がいる一方で、「ぐるなびとFooMooで別々のお店を比較したかったり、自分がお店を選定する際の項目が比較できなかったりするので使わない」という厳しい意見も上がりました。
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