この対談では、クリエイター「うるまでるび」のうるま氏と、「オモコロ」編集長のシモダテツヤ氏に、「クリエイターとネットとの関わり方」について語ってもらっている。後編では、ネットでの作品流通や、クリエイターと観客、そしてクライアントとの関係の理想像について意見を交わしてもらった。(クリエイター・ミーツ・インターネット【前編】はこちら)
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−クリエイターが作ったデジタルコンテンツをネットで販売する状況が当たり前になるのはまだ遠い先の話なのでしょうか?
シモダ:まず、決済システムがどれだけ簡単で身近になるかがネックなのかなと思います。
うるま:ネット決済っていまだに代引きじゃないと安心できないっていう人が多いよね。
シモダ:携帯でコンテンツにお金を払うのは、通話料に乗っかって請求がくるので支払いが楽チンですよね。若い人はネットでの支払いに対する抵抗が薄いほうだと思うので、そういう人がもっと増えれば右に倣えになっていくと思うんですけど。そこにケータイやカードみたいな簡単な決済システムが、さらに身近にあればもう一つポーンと前進すると思います。そういうの以外で「デジタルコンテンツという実体のないものに対してお金を支払うことの抵抗感」って、どうやったら払拭されるのかなあ…… 。
うるま:でも、ほら「グリーの釣り竿」が何十億って売れちゃうわけでしょ?(笑) その話を聞いて、遂にそこまで来たかって思った。一般の人は、重さのないモノに対してお金は払わないんだってずっと思ってたの。だけど、ここ数年で急激に変わったよね。
シモダ:何かを買ってお金を支払うのとは、少し感覚が違うのかもしれないですね。
うるま:そもそも僕らはお金儲けしたいわけではなくって、続けたいだけなんです。運営できてそこそこ食べていけるだけあればよくって、それ以上にファンとかユーザーの応援の気持ちを届けてもらえるといいなって思うんです。「このアニメが面白いからお金払います」じゃなくて、「このアニメ作ってくれてありがとう、だから払います」っていう感じ。タレントのファンクラブに近いんですかね。ミュージシャンってライブという手段があるから、お客さんと一体になったり、お客さんの反応をみながら演奏できるでしょ。映像系ってライブがないから分かんないんだよね。羨ましいです。「おしりかじり虫」がヒットしてるっていったって、街中で「かじり虫さんですか?」って声かけられるわけじゃないし(笑)。
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