対談:うるまでるび×シモダテツヤ--クリエイター・ミーツ・インターネット【前編】 - (page 3)

構成:沼袋さらだ 撮影:赤司聡2009年12月11日 17時00分

シモダ:作った人がちゃんとお金をもらえて、次につなげられる形になればいいんですけど。でも、今のところネットってクリエイターより、クリエイターが作ったものの情報を集めて1カ所で紹介する「編集者」的な位置の方が、お財布が潤うんだろうなと思います。渾身のエネルギーを込めて出来上がったものを公開するじゃないですか。ネットの流れが速いのもあるんですけど、そのコンテンツ自体の賞味期限が異常に短い気がしてて。取り上げられてもすぐ忘れ去られちゃう。小説とか音楽とか映画とか、かつてはそれがホントにいいものであればクラシックとして残っていった。ネットはどんなにクオリティが高くても本当に一瞬の輝きがあるだけ。そういう「これはいいな」というものを集めて、それを見やすくまとめるのって、労力でいったら、モノを作ることとは差があると思うんです。

うるま:うん、そうなんだよね。でもそれって、お金を動かせる目利きの人がいないから起こる問題なんだよ。誰でも発信できるということは粗悪なものもたくさんでてくるということ。これまでのメディアにはそんな有象無象の中から無名だけど才能ある人を拾い上げる目利きの人がいた。消費者のもとには、目利きが選択して磨いたものが届いていたわけですよ。インターネットは誰のチョイスでもない全ての情報が届くので、受けとるひとりひとりが目利きにならないと情報が溢れちゃうんだよね。今までは寝転がってテレビを見ていればよかったんだけど、自分で選択しなきゃいけなくなった。それって実はすごく疲れることで、その苦労が好きな人がネット好きなんだと思う。

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