米国の最大手ケーブルテレビ企業Comcastは米国時間12月3日、テレビネットワークおよび映画スタジオを所有するNBC Universalの経営権を獲得する方針を正式に発表した。
9月頃から噂が出ていた巨大メディア買収の総価値は、およそ370億ドルと見積もられている。ComcastとGeneral Electric(GE)は、GEが所有する資産価値約300億ドルのNBC Universalと約72億5000万ドル規模のComcastのケーブルチャンネルとを合わせて新たにジョイントベンチャーを設立するという。
またComcastは、現金でおよそ65億ドルを支払う予定だ。ジョイントベンチャーの株式のうち51%をComcastが、49%をGEが保有する。NBC Universalの社長兼最高経営責任者(CEO)Jeffrey Zucker氏がジョイントベンチャーを率いることになる。
これまでNBC Universal株式の80%を保有していたGEは、今回の取引で現金およそ80億ドルを手にするとみられる。ジョイントベンチャーは約91億ドルの負債を引き継ぐことから、Comcastが支払う金額は減額されている。Comcastはまた、GEに対しても現金を支払う。
この取引でComcastは、USA、CNBC、MSNBC、Bravoなど大きな利益が期待できる複数のケーブルチャンネルを所有する巨大メディア企業になる。また、NBCの放送ネットワークとテレビ局、映画スタジオ、娯楽施設に関する経営権も握ることになる。
ComcastとGEは3月からこの買収の話し合いをしていたと、New York Timesは報じている。ジョイントベンチャーの噂は9月に報道されて表面化した。しかしGEが、NBC Universal株式の20%を保有するフランスのメディア企業Vivendiから株を買い戻す交渉をしていたため、最終的な決着は遅れた。今週になって、Vivendiが保有する20%の株式をGEが58億ドルで買い戻すことで両社は合意に達した。2010年9月までにComcastとの買収手続きが完了しない場合は、Vivendiが保有する株式のおよそ38%をGEが約20億ドルで買い取るという。
ComcastのCEOであるBrian Roberts氏は、ComcastにとってNBC Universalは「われわれを、米国の消費者が求めるマルチプラットフォームで『いつでも、どこでも』利用可能なメディアの開発と配信を主導する企業にしてくれる」まさに申し分のない企業だと声明に記している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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