報道によると、ケーブルテレビ大手のComcastは、General Electric(GE)傘下にあるNBC Universalの経営支配権獲得に向けて交渉中だという。この契約がまとまれば、Comcastのオンラインコンテンツ戦略を形成するのに役立ち、NBC Universalが移り変わる市場に対応する助けになるとされている。
The Wall Street Journal(WSJ)の報道によれば、ComcastはNBCのメディアコンテンツを包括する株式非公開の合弁会社を組織することを目指しているという。Comcastは51%の株式を取得して新会社の支配権を握り、一方のGEは49%の株式を保有する計画だ。
両社が結びついて新たな合弁メディア会社が誕生すると、NBCをはじめ、USA Networkのようなケーブル局も複数含む24以上のテレビネットワークを保有することになる。Comcastはすでに、「E!」「The Style Network」「G4」といった独自のケーブルネットワークを複数運営している。新たな合弁会社はまた、NBC Universalの制作スタジオに加えて、ニューヨークやサンディエゴといった都市におけるNBCテレビのローカル支局10拠点を保有することになる。
Comcastが大手メディア企業の物色に乗り出したのは今回が初めてではない。2004年、同社は660億ドルでThe Walt Disney Companyを買収しようとした。この試みが失敗に終わって以来、メディアおよび動画配信の状況は劇的に変化した。
テレビネットワークは広告収入の確保に苦戦し、映画スタジオはデジタル海賊行為が自社の利益を蝕むのを阻止する必要に迫られている。一方、テレビ事業において電話会社や衛星事業者からのより激しい競争に直面しているComcastも、動画コンテンツを提供するためにインターネットを使用する最善の方法を見つけようと試みている。
個々のテレビ局は、独自のテレビコンテンツをオンライン上に公開して、ユーザーが一定時間アクセスできるようにしている。こうした動きは当初、Comcastのようなケーブル事業者を悩ませた。ケーブル事業者は、高額な料金を支払っている動画コンテンツを無料で提供することが自社のビジネスにとって脅威になると考えていたのだ。
NBCと、Foxの親会社であるNews Corp.は、テレビ番組や複数の映画をオンデマンドで提供するオンラインサービスHuluで注目を集めた。CNET Newsの発行元であるCBSを含む他のメディア複合企業も、これと似た措置を講じている。
Comcastもまた、オンライン動画の取り込みに着手し、2009年夏にはメディア複合企業のTime Warnerと協力して新サービス「On Demand Online」を試験提供している。Comcastのケーブル顧客は同サービスにより、Time Warnerの最も人気の高いテレビ番組の一部を、TNTおよびTBSのネットワークから追加料金なしで視聴できる。Comcastの計画は、テレビネットワークや映画スタジオが保有する映画やテレビ番組を、インターネットを介してより広範な視聴者に配信する安全な方法を提供するというものだ。
WSJの記事によれば、ComcastとGEの交渉は決裂する可能性がまだ残っているという。Comcastは、初期に支払う金額を可能な限り少なく抑えようとしている。また、NBC Universalの20%の株式を保有するVivendiをどうするかという問題もある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス