シャープは11月17日、携帯電話事業に関する説明会を開催した。シャープは2009年度冬・春モデルに向けて、過去最多となる14機種58カラーバリエーションを投入する。
これは、ディズニーやSeventeen(セブンティーン)などのコラボレーション端末が増えたことによるもの。執行役員 通信システム事業本部長の大畠昌巳氏は「お客様のニーズに応えようとしただけ。採算は厳しいといえば厳しいが、(ベースとなる)モデルがふくれてはいないので、なんとかできている」と語った。
2009年度上半期(4〜9月)の国内携帯電話出荷台数のシェアを見ると、シャープは24.7%と他社を大きくリードしてトップを誇る。さらに、23%だった2008年度のシェアから1.7ポイント伸ばしている。この要因について、「AQUOS SHOT」「SOLAR HYBRID」の2つのブランドを立ち上げ、10M CCDカメラや太陽光発電、フルタッチ、防水などの機能を搭載した商品展開が奏功したと分析する。
今回の冬・春モデルでも、第二世代のAQUOS SHOTとして12M CCDのカメラを搭載したモデルを4つリリース。高速連写機能や瞳を大きくしたり小顔にしたりできる自動編集機能など、さらなるカメラ機能の強化に力を入れている。このほかに、直感的なユーザーインターフェース「スピンぐるメニュー」の搭載、Wi-Fi対応、「AQUOSブルーレイ」の対応モデルの追加など自社製品との連携なども強めた。
一方で、市場全体で見ると、2009年度は前年比で需要を回復するも、トータルでは前年比マイナスの可能性があるとの見方を示した。しかしながら、2009年度以降は「2年利用契約」後の買い換え需要や、2010年から2012年に各キャリアが提供するLTEサービス開始などに伴い、緩やかに回復するだろうと予測した。
最近では、ハイエンド向けの端末からミッドレンジ向けの端末へとボリュームゾーンが変化しているという。これは、端末価格の高騰や買い換えサイクルの長期化、低・中位機種でも十分な機能を持っていることによるものという。
しかし、ハイエンドモデルについては今後もさらなる高機能化にこだわり、さらにそこで培った技術をミッドレンジ向けの端末に活かしていく考えを示した。
シャープは、iPhoneのヒットによってスマートフォンのイメージが変化したことをきっかけとして、今後市場が拡大する可能性があると分析する。現在は、スマートフォンが一般ユーザー層へと拡大する成長期にあり、シャープも市場のニーズに応えていきたいとする。その答えがの1つが、シャープによるオープンOSへの取り組みだ。
今後の取り組み施策の中で、Android OSを搭載した製品を来年にも投入することを明らかにした。「国内市場に向けて目下進行中で、2010年前半にはお披露目できる」という。また、どのキャリアに提供するかは「差し控えたい」とした。
なぜAndroidを選んだのかについて、「国内においてはキャリアと相談して(開発を)スタートしている。キャリアとの連携の中でAndroidになった」と説明した。FeliCaの搭載、メールなどのキャリア独自サービスへの対応など、国内市場に向けて独自のカスタマイズを考えているという。
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