シャープは10月29日、2010年3月期第2四半期(2009年7〜9月)の決算を発表した。売上高は前期比15.4%増の6903億円となり、営業利益は前期のマイナス260億円から、276億円とプラスに転じた。営業利益、経常利益、四半期純利益のすべてにおいて黒字転換を果たした。また、エレクトロニクス、電子部品などすべての部門で営業利益が黒字となった。
代表取締役兼副社長執行役員の濱野稔重氏は「政府の景気対策効果が現れたこと、中国と日本の個人消費が持ち直したことなどが要因。さらに人員体制の見直し、液晶工場の再編など緊急業績改善対策の推進により黒字化できた」と構造改革が大きく寄与したと話した。
商品に関しては、プラズマクラスター技術を搭載した関連商品の増加、高画質、低消費電力を実現する次世代液晶パネルUV2Aを搭載した液晶テレビ、ソーラーパネルを装備した携帯電話など、特長商品の販売強化が売り上げにつながったとのこと。
2008年度に続き国内市場の低迷が続いた携帯電話は、売上高が前年同期比0.7%減の1019億円となり、ほぼ前年並みの結果になった。今後は「買い替え需要、2台目需要に向けた商品を開発する」と今後の商品展開を話した。
また、液晶パネルは「中国を中心にパネルの需要が拡大している。2009年末までは堅調に推移するだろう。大阪府のシャープグリーンフロント 堺では、シャープの液晶テレビ『AQUOS』向けに加え、世界の戦略パートナーに向けて40型以上の大型パネルを供給していく。亀山工場と棲み分けをすることで生産効率の改善が見込まれる」と期待を寄せる。売上高も前期比26.2%増の2223億円、営業利益は155億円と大きく改善した。
省エネ、創エネの特長商品の1つとして取り組んだ太陽電池は「結晶、薄膜の両輪体制で取り組んでいる。主力となる欧州の市場環境は厳しいが、日本や米国は大幅な市場伸長が期待できる」と分析している。
黒字転換への大きな牽引力となった中国市場に関しては「一番力強い市場だと思っている。薄型テレビのインチサイズも今後は32インチ以上の需要が拡大しそうだ。日米欧に比べても数量面で期待できる。欧米がかなり厳しい環境にあるので、海外は中国とASEANが引っ張っていくだろう」とした。
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