Native Clientは成熟しつつあり、GoogleのChromeブラウザに組み込まれる段階に至ったところだ(ただし、現時点ではデフォルトで無効にされている)。GoogleはChromeを、ほかのウェブテクノロジを広める手段としても利用している。例えば「Gmail」をオフラインで利用できるようにする「Gears」や、ブラウザ内の3Dグラフィックスでハードウェアアクセラレーションを利用可能にする「WebGL」などだ。
Goは現段階では実験的なものにすぎないが、Googleは自社の大量のサーバ上で実行されているソフトウェアの一部をGoで作りたいと考えている。Googleの規模でこれを行えば、学術的なプロジェクトでさえ商業的な意味を持つ可能性がある。プロジェクトを軌道に乗せるために努力してきた多くの企業にとってはうらやましいことだ。
事実、Goチームがかつて体験した1つのエピソードに、そのことがよく表れている。Pike氏、UNIXの共同開発者Ken Thompson氏、およびRuss Cox氏はいずれも、「Plan 9」というOSのプロジェクトに携わっていた。このプロジェクトは、UNIXと同様に、ベル研究所で始まった(そう、Plan 9という名前は、Ed Wood氏による悪評高い映画「プラン9・フロム・アウタースペース」からとられたものだ)。
Plan 9は、Vita Nuovaによって「Inferno」と呼ばれるバージョンが販売されているものの、UNIXと異なり商業的にはさほど成功しなかった。メインストリームのOSを軌道に乗せることは難しい。プログラマー、ソフトウェア会社、ハードウェアメーカーに対しOSを採用する気にさせ、人々に対し実際にOSを使用する気にさせなければならない。また、定着したOSの進化に遅れをとらないようにしなければならない。
Plan 9の一部はGoプロジェクトに引き継がれており、Goのソースコードの中にはPlan 9のさまざまな痕跡が見て取れる。しかし、それほど多くはないとPike氏は言う。
「6g/8g/5gコンパイラは、ほとんどまったく新しいものといってよいが、オープンソースのPlan 9コンパイラスイートに含まれるCコンパイラおよびリンカーと関連している。Ken、Russ、そしてわたしのような一部の主唱者にとってはもちろん歴史的な関係があるが、それを除けば、せいぜいこの程度だ」(Pike氏)
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