それでも、モバイルコンピューティングの持続力を疑う人はほとんどいない。2009年のオンライン広告全体に対しモバイル広告が占める割合はほんのわずかであるが(Googleが引用したeMarketerの数字によれば、合計240億ドルのオンライン広告費用のうち4億1600万ドル)、iPhoneやAndroidデバイスのようなスマートフォンでのモバイル広告を試してみようという広告主の関心が高まったため、AdMobのキャッシュフローは約1年間黒字を続けている。
Googleのエンジニアリング担当バイスプレジデントのVic Gundotra氏が買収発表後のインタビューで述べたところによると、Googleは、AdMobの140名のチームを社内に取り込むことを「またとない機会」だと考えているという。Gundotra氏とHamoui氏はともに、買収取引を円滑に進めるのに役立ったものとして、2社の文化の一致を挙げた。カリフォルニア州サンマテオに本拠を置くAdMobでは、経営陣紹介ページに掲載されている10名の役員のうち、Google出身者が3名にのぼる。
GoogleがAdMobを既存の組織にどう統合するのかは、まだ分からない。Googleは既に「DoubleClick Mobile」を運営している。これは、パブリッシャーが、AdMobを含むさまざまな広告ネットワークを通して、モバイル広告を広告主に直接売ることができる広告配信サービスだ。Googleにないのは、AdMobのような広がりと影響力のある独自のディスプレイ広告ネットワークだ。AdMobのネットワークは1万5000社の有名ブランドの広告主からなり、その数は増え続けている。これがあれば、モバイルパブリッシャーは広告販売を実質的に外注することができる。
AdMobがDoubleClick Mobile顧客のための「唯一の」広告ネットワークとなるかどうかもまだはっきりしないが、そうなれば多くのビジネスが排除されるかもしれない。Googleは、DoubleClick Mobileの顧客に提供する広告ネットワークとして、自社の「AdSense」や、Millennial Mediaによる「MBrand」と「Decktrade」、そしてAdMobを挙げているが、これらは一部にすぎない。
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