Thompson氏によると、iStockphotoは9月30日にGearsのサポートを開始したという。それからの16日間で、同社はGearsによって、ネットワーク上で132Gバイトのデータを転送するだけのコストを節約し、ウェブサーバの負荷を通信要求870万件分軽減した。しかも、Gearsをインストールしたユーザーはわずか1万9000人であり、これは「われわれのトラフィックのごくわずかな割合」だと同氏は言う。GearsのユーザーによってiStockphotoのウェブサーバから負荷が幾分取り除かれるため、Gearsを使用しないユーザーも恩恵を受ける。
Gearsは、ウェブページのさまざまな要素、例えば、写真のサムネイルやJavaScriptプログラムコード、フォーマット用CSSファイルなどをローカルに保存することによって機能する。古くなったファイルは定期的に消去されるため、ユーザーのハードドライブがファイルであふれ返ることはない。
「現段階の実装はかなり基本的なものだ。ユーザーが2回目に画像を閲覧したり、JavaScriptファイルを要求したりするときは、瞬時に読み込まれる」とThompson氏は述べる。このことについて、同社の開発者の1人は次のように説明した。「麻薬の売人と正反対だ。1回目はただではないが、それ以降は毎回ただになる」
Googleは、ブラウザプラグインとして公開しているGearsを広く普及させようとしている。より積極的な方策として、同社はGearsを「Google Chrome」ブラウザに組み込んだ。そして、より長期的な視点で見ると、現在策定中の「HTML 5」標準にはGearsと同じようなローカル保存機能があり、これによって、同技術はより幅広く普及するだろう。
Thompson氏は、HTML 5に含まれるもう1つの技術である埋め込み型ビデオも気に入っている。iStockphotoは写真などのコンテンツに加えてビデオコンテンツのライセンス販売も手がけており、現在、Adobe SystemsのFlash技術を使ってビデオをストリーミングしている。
「ビデオに関して、Flashを使うのを止めたいと考えている。しかし、それはまだまだ先のことになるだろう」とThompson氏は述べ、「Internet Explorer(IE)」が広く使われていることをその理由に挙げた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」