Thunderbird 2と比較すると、操作性も改善されている。ツールバーのボタンは受信、作成、アドレス帳と最小限なもので構成され、グローバル検索バーが目立つようなデザインになっている。それに対して、返信や転送といったメッセージを操作するボタンは、メッセージのヘッダに移動している。
操作性では、OSとの統合が図られている点も注目に値する。Windows Vista/7にインストールすれば、Thunderbird 3に保存されているメッセージは「Windows Search」の検索対象になる。Mac OS Xでも同様に「Spotlight」の検索対象になる。OSとの統合という点では、ユーザーインターフェースがOSごとに最適化されている。これにより、Windows XP/Vista/7、Mac OS X、LinuxごとにThunderbird 3のデザインが異なっている。
また、新機能として、「添付ファイルの付け忘れ防止」や「署名エディタ」が搭載されている。添付ファイルの付け忘れ防止は、メッセージ内に「添付」という単語を自動検出して、添付ファイルを付け忘れていそうな場合には自動で警告するという機能だ。自動検出される単語は、カスタマイズできるという。署名エディタは、「日本人から要望が多かった機能」(吉野氏)であり、メッセージにつける署名を編集するというものだ。Thunderbird 2のように、従来通り外部ファイルを指定することも可能になっている。
また、アドオンに関する機能も改良されている。既存のThunderbird 2だと、アドオンのデータを1回デスクトップにダウンロードしてからインストールするという手順だったが、Thunderbird 3では、アドオンを制御する「アドオンマネージャ」から直接インストールできるようになっている。
Thunderbird 3の開発については、これまでの2年半でいくつかの情報が流れていた。たとえば、カレンダー拡張機能「Lightning」が統合されるといったものや、インスタントメッセージング(IM)機能を搭載するといったものだ。
しかし、実際にThunderbird 3にはそうした機能は搭載されていない。今回発表されたThunderbird 3は、現在のThunderbird 2からの流れを大きく変えておらず、単体のメールクライアントソフトとして進化を遂げていると表現することができる。
Thunderbirdを開発するMozilla Messagingの最高経営責任者(CEO)のDavid Ascher氏は、Thunderbird 3が開発されている2年半の間に、「たとえばSNSの『Facebook』やマイクロブログの『Twitter』のようにさまざまなコミュニケーションツールとして普及するようになっている」と言及。そうした多種多様なコミュニケーションツールを「Thunderbirdに統合する計画はない、アドオンという形で対応できる」とし、先頃発表されたソフトウェア「Raindrop」に統合すると説明している。
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