Mozillaの「Thunderbird」を担当するチームは、「Raindrop」というソフトウェアの開発に取り組んでいる。Raindropでは、電子メールやFacebook、Twitterといったコミュニケーションのチャンネルを単一のインターフェースに統合し、重要なメッセージをありきたりのメッセージから選別する能力を組み込むことを目指している。
Raindropの開発者らはブログ投稿の中で、この技術について次のように述べた。「かつては電子メールがインターネット上で起きる会話の大部分を担っていたが、もはや状況は同じではない。現在の世界の人々は、Twitter、インスタントメッセンジャー(IM)、Skype、Facebook、『Google Docs』、電子メールなどを組み合わせてコミュニケートしている。多くの人にとって、これはつまり、新しいメッセージを入手するかもしれない場所が増え続け、それらの場所に常に気を配っている必要があるということだ。われわれは、ユーザーがさまざまなオンラインサービスにまたがる会話や告知、メッセージなどを手軽に楽しく管理するのに役立つ、拡張性のあるアプリケーションの開発を主導し奨励することを望んでいる」
この取り組みでは、重要なメッセージを選別する能力が鍵を握ることになるだろう。
開発者のBryan Clark氏は、「Raindropは、大量のメッセージの中からパーソナルなメッセージを賢く見分ける」と述べた。Raindropは他の機能とともに、電子メールのアドレス帳に載っているアドレスから送られたメッセージや、Facebook、Amazon.comなど、数多くの更新情報を送ってくる送信元を自動的に識別する機能も持つことになる。
Mozillaの2つの主要プロジェクトである「Firefox」とThunderbirdを考慮すると、Raindropには特に興味深い一面がある。これがダウンロード可能なソフトウェアではなく、ウェブアプリケーションであるという点だ。Mozillaの開発者らは、「われわれの旗艦アプリケーションは、Open Web技術をサポートする現代のウェブブラウザならどれでも利用できるように作られるだろう」と述べた。しかし、開発者グループは、モバイル機器向けのアプリケーションを含む、ウェブベースのサービスを利用できるフロントエンドのソフトウェアをサポートすることも見込んでいる。
Mozillaは、しばらく前からRaindropのアイデアを検討していた。David Ascher氏は2007年、Mozilla Foundationの子会社Mozilla Messagingの最高経営責任者(CEO)に就任した際のインタビューで、「人々は、ますます多くのコミュニケーションのチャンネルに登録するようになる。もし6つの異なる受信箱をチェックし、さまざまなシステムを行き来して検索しなければならないなら、何が起きているかを常に把握しておくことは困難になる」と述べていた。同氏は、Mozilla Messagingがこの問題に取り組むことを望んでいると述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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