2007年に年賀特設サイト「郵便年賀.jp」を立ち上げて以降、ウェブとの親和性を模索してきた郵便事業(日本郵便)。
2008年にはKDDIと連携した「ケータイPOST」やミクシィと連携した「ミクシィ年賀状」を相次いで提供し、2009年にはネットベンチャーのリプレックスと提携し、新サービス「ウェブポ」を公開した。
はがきを中心に、アナログなサービスを提供してきた日本郵便がネット企業と組んだことに対して、どのような反響があったのだろうか。また同社は今後どのようにネットと付き合っていくのか。ミクシィ年賀状やウェブポを担当する日本郵便 事業統括本部 郵便事業部 商品開発担当 課長の西村哲氏に聞いた。
我々から声をかけてミクシィさんと組んだときは、正直言って売上枚数を取れるか考えていませんでした。弊社がアナログな会社であり、ミクシィという正反対の企業と組むことで「(日本郵便が)おもしろそうなことを始めているよ」ということを伝えるという話題作りが狙いでした。しかし70万枚という数字になったことで、ネットとアナログの連携が思った以上に「しっくりきた」と思っています。
年賀状には作る面倒さがありますが、ウェブでのコミュニケーションはツールも豊富で加工も簡単です。ですが、年賀状という「リアルな物をもらう」という行為はやはりうれしいものです。これが若者にも響いたのだと思います。(作る手間がかからず物が届くという)ウェブとアナログそれぞれの強みが生きたんだと思います。
ミクシィ年賀状が一段落してから聞いたのは、海外176カ国から申し込みがあったということです。これによって、海外にいるマイミクとの年賀状のやりとりが始まったこともあったそうです。
また、ミクシィ年賀状を利用したユーザーの約20%は、前年に年賀状を出していなかったそうです。我々にとっては、休眠していたユーザーを呼び起こしただけでなく、新規ユーザーの開拓にもつながりました。
1年前は我々から連絡をとり、何とかサービスにこぎ着けたというところもありました。ですが実際にやったところ、ミクシィさんとしても「しっくりきた」というところがあるのだと思います。
今回、我々からも「若年層から『クレジットカードが使えない』という声も頂いたので、キャリア課金できるモバイル版をやりませんか」とお願いしたところ、すぐに「やりましょう」という話になりました。また、スポンサードテンプレートについては、ミクシィさんから「思い切って0円のサービスもやりましょう」と提案いただきました。お互い、昨年以上に積極的に動いています。
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