KDDIは10月23日、2010年3月期上半期の連結決算を発表した。営業収益(売上高)が前年同期比1.4%減の1兆7231億円、営業利益は同4.5%減の2510億円。ただし通期見通し予想における進捗率は営業収益が49.5%、営業利益が53.4%と、「ほぼ期初の想定どおり」(KDDI代表取締役社長兼会長の小野寺正氏)とのことだ。
移動通信事業については、営業収益が前年同期比1.7%減の1兆3379億円、営業利益が同5.5%減の2720億円となった。
「前期末の在庫がかなりオーバーしていたので、端末販売価格をある程度下げざるを得なかった。また、月額390円からの料金プラン『指定通話定額』『ダブル定額スーパーライト』を導入したので、販売手数料を増やしてお客様を取りに行った」(小野寺氏)ため、第2四半期における1台あたりの平均販売手数料は4万4000円と前年同期から6000円増えた。また、販売台数は256万台と前年同期より14万台減った。
KDDIでは2010年3月期通期での平均販売手数料を3万6000円と想定しており、下半期は調達コストの低いミドルレンジの端末を中心にそろえる。また、通期の販売目標台数を1000万台としていることについては、「努力すればやっといけるかなという数字」(小野寺氏)とした。
固定通信事業については、基幹ネットワークを集約、整理することでコスト削減を図り、2011年3月期に固定通信事業を黒字化するとした。KDDIの固定事業は赤字が続いており、今期も400億円の赤字を見込んでいる。合併や企業買収などで生じたネットワークの重複が重荷になっているという。
KDDIはDDI、KDDI、IDOの3社合併により、コアネットワークに局舎約250局、伝送路2万6000kmを抱える。これを2016年3月期までに約140局、2万2000kmにまで整理する方針。また、メトロアクセスネットワーク(地域網)についても、パワードコムとの合併や東京電力の光ファイバ事業統合で重複がでていることから、稼働率の低い設備を中心に集約していくとのことだ。
2010年3月期下半期には低稼働設備の撤去などにより、400億円程度のコスト増を見込んでいる。ただし、2011年3月期以降は減価償却費や設備維持コストが減ることから、営業利益を押し上げる要因になるとした。
「固定通信事業は来期必ず黒字化を達成する。すべての目標をそこに置いている状態だ。財務体質をしっかり確立した上で、その後の持続的成長を目指す」
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